1年に何冊くらいの本を読んでいますか?
人が一生のうちに経験できることの数は、限られています。しかし、成熟した大人やいわゆる「仕事がデキる人」になるには、たくさんの経験値が必要です。本はその経験値の不足分を埋めてくれる知識として、私たちに蓄積される資産です。
人生を変える本と出会い、生き方や考え方が劇的に変わった人もいます。本を読むことで「売れるようになった!」という販売員は、もっと多いかもしれません。
今回は、接客従事者にぜひ読んでいただきたいおすすめ本を5つ紹介します。自分自身で読んでもよし、接客に悩んでいる部下にお勧めするのもよし。ぜひ、一つだけでも手に取ってみてください。
接客業従事者が読むべきおすすめ本5選
①『ディズニー7つの法則 新装版』
著者:トム・コネラン(元ミシガン大学教授、顧客満足の第一人者)
出版:日経BP社
接客に優れた企業といえば、世界共通で思い浮かぶのがディズニーでしょう。ディズニーはゲスト(お客様)をもてなすにあたり、キャスト(従業員)は何をしているのか?キャストはなぜ、モチベーションを維持し続けられるのか?
ミシガン大学で教鞭を取り、米大手総合電機メーカーのGEや世界的金融機関グループのモルガン・スタンレーなど、世界の一流企業コンサルタントも務めた著者がディズニーの「接客力」について論理的に解明しています。
具体的な接客方法というよりは、接客するにあたってのマインド(心構え)について深く学べる一冊です。
②『ユナイテッドアローズ 心に響くサービス』
著者:日本経済新聞出版社社
出版:丸木伊参(OFFICE MARUKI代表取締役)
アパレル業界においてサービスの評価が極めて高いのが、ユナイテッドアローズです。本記事を読まれている方の中にも、「一度はユナイテッドアローズの商品を購入したことがある」という方が多いでしょう。
ユナイテッドアローズには理念ブックと呼ばれる、店舗スタッフの行動原則を示したカードがあり、これを全従業員に配布しています(3冊構成)。その内容が覗けるだけでも、接客業従事者にとって価値ある一冊ではないでしょうか。
アパレル業界だけでなく、あらゆる業界においてお客様と関わる上で重要なサービス精神が綴られています。
③『接客1年生 お客さまに信頼される50のコツ』
著者:ダイヤモンド社
出版:七條千恵美(元JALのCA教官)
「接客1年生」向けの本ということで、接客業では当たり前のことが記されています。しかし、その当たり前は見失いがちなものばかりで、接客2年生・3年生でも確実に糧になる本です。
著者はJAL(日本航空)の客室乗務員としてお客様や会社から最高評価を受け、1,000人以上の客室乗務員を輩出したカリスマ教官でもあります。
基本を徹底することが如何に大変か、そして如何に重要かということに改めて気づけるでしょう。
④『ヒトにしかできない接客 ロボットでもできる接客』
著者:工藤昌幸(人材育成コンサルタント)、板野太貴(フードコーディネーター)
出版:こう書房
小説風で読みやすく、かつ接客に関する基礎を学べます。舞台は経営4年目のレストランで、売り上げは低迷中。その中で接客がどういう役割を果たすのか?を起承転結を持って知れる面白い一冊です。
「いらっしゃいませ」や「ありがとうございます」など、一日に何百何千回と繰り返す言葉を、ロボットのように感情なく口にしていませんか?接客業では、一つ一つの言葉に魂を込めることが大切。そんなことを気付かせてくれるかもしれません。
⑤『ワンランク上の「接客交渉術」』
著者:宮田寿志(研修講師)
出版:ぱる出版
接客業とクレームは切り離せない関係にあります。そして、クレームを受けた時こそお客様をファンにするチャンスになります。そのためには「申し訳ございません!」の平謝りは言語道断。
お客様からのクレームを真摯に受け、納得してもらい、ファンになってもらうにはどうしたら良いのか?
また、お客様の逆鱗に触れてしまう、つい言ってしまいがちな一言なども紹介しています。過去にお客様をひどく怒らせたことがあり、トラウマ気味になっている販売員はこれを読み、何が原因だったのかを考えるきっかけにしてください。
本は読むだけじゃない、聴くのも良い
いかがですか?今回は接客業従事者に読んでいただきたい5冊を紹介しました。中には、「本を読むのが苦手」という方も多いでしょう。
そんな方にお勧めなのがオーディオブック。つまり、「聴く本」です。最近では色々なオーディオブックサービスが登場していますし、無料期間を利用すれば30日程度はゼロコストで利用できます。
メンタリストのDaiGoさん曰く、テキストを読むのではなく聴くことで、移動時間などを有効活用したり、内容が体系的に頭に入りやすくなったりするそうです。「本は好きだけれど、読む時間がない」という方にもお勧めです。
入り口は何でも構わないので、まずは本を読む(聴く)習慣を付けましょう。販売だけでなく、人生を変える本に出会えるかもしれません。