地球には約4,000種の鉱物が発見されており、その中で “ 宝石 ” と呼ばれる状態に変化するのは30種程度に過ぎません。それでも多種多様な宝石が存在するのは、鉱物の処理方法によって異なる輝きを放つようになるからです。例えばアメシストは加熱処理を加えるとシトルリンに変化します。
そして数ある宝石には、それぞれ石言葉があることをご存知でしょうか?今回は意外と知られていない、実は悪い意味を持つ宝石をご紹介します。
花言葉ならぬ、石言葉とは
花には1つひとつ言葉があることは、誰もが知っています。例えば桜(ソメイヨシノ)は「純潔、優れた美人」、キンモクセイは「謙虚、気高い人」、コスモスは「乙女の純真、調和」、といったように様々な花言葉があります。
ちなみに薔薇の主な花言葉は「愛、美しさ」ですが、贈る本数によっても花言葉が違います。21本なら「あなただけに尽くす」、99本なら「永遠の愛」、1本なら「一目惚れ」です。
こうした花言葉のように、宝石にもそれぞれ石言葉があります。花言葉も石言葉も、人類の歴史から作り上げられた既成概念に過ぎませんが、ロマンチックな言葉の数々はいつも人の心を輝かせてくれます。例えば…
ダイヤモンド | 純潔、永遠の絆、完璧 |
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ブルーサファイア | 慈愛、誠実、真実、徳望 |
エメラルド | 幸福、幸運、愛、希望 |
トップ・オブ・ジュエリーでもあるダイヤモンドの石言葉は「純潔、永遠の絆、完璧」など様々な言葉が付けられています。理想的なカットを表す「アイデアル(Ideal)」は、理想的という意味の一般用語にもなっていますね。
その他にも、「旅人の石」として知られるターコイズ(トルコ石)には「成功、繁栄、強運、健康」などの石言葉があります。
こうした石言葉を知識として取り入れておくと、贈り物をする際相手にちょっとした驚きを与えられるでしょう。
贈り物要注意の宝石3選
花言葉の中には、あまり良い意味が含まれないものもあります。初夏に梅雨を彩るアジサイは「冷酷、無情、高慢」、野山で春の訪れを告げてくれるマンサクは「呪文、魔力、霊感」など怖い言葉が付けられています。
宝石の中にも多からずそうした言葉が付けられているものがあるので、贈り物をする際は注意が必要です。
オパール
石言葉は「創造、活力、純真無垢」などです。どこが悪い意味なの?と思われるでしょう。オパールを贈り物にオパールを選ぶ際に注意したいのは、その歴史にあります。
14世紀欧州にて流行したペストは、歴史上何度かの大規模な流行を繰り返し、当時の欧州人口の3分の1を奪ったといいます。皮膚が黒くなる症状から黒死病と呼ばれ、恐れられました。一時期、ペスト流行の原因と考えられていたのがオパールです。
その理由は「ペスト患者がオパールを身につけると輝きを失う」からで、迷信じみた話ですがまだ医療が発達していなかった当時は、これを本気で信じた人が多かったそうです。原理はペスト患者が高熱を持ち、それによりオパールの輝きが弱くなること。
このことから何か病気を患っている人に対して、オパールを贈り物にするのは避けた方がよいでしょう。
関連記事:オパールは不吉な宝石?詩人に愛されたまどろみの宝石の伝説とは?
カイヤナイト
サファイヤに見間違えられるほど美しく青い輝きを持つカイヤナイト。その石言葉は「心の呪縛を解き放つ」であり、一見してポジティブな言葉です。ただしこの言葉は裏を返せば贈り物をした相手が現在、心が縛られている状態にあると捉えることもできます。
その美しさだけを見れば受け取った相手は喜ぶでしょうが、石言葉を知ったときその人を不快にさせる可能性があります。カイヤナイトの輝きが純粋に気に入り、プレゼントする場合は「こんな石言葉があるけど、とても綺麗で似合うと思ったから」と一言添えると良いかもしれません。
ファイブロライト
別名、シリマナイトキャッツアイ。流通量が少なくレアな存在でもあるこの宝石は、猫目のように一筋の光が浮かぶキャッツアイ効果が楽しめ、宝石通から人気を集めています。そんなファイブロライトの石言葉は「警告」です。
「警告」という言葉は色々な捉え方ができ、ファイブロライトが何か自分にとって悪いことを知らせてくれるというポジティブな考え方もできれば、不安感を煽られるような感じ方もできます。また、ダイヤモンドのように一定の輝きを絶えず放つのではなく、角度によって色が変化する多様性があるので贈り物としては好みが別れるかもしれません。プレゼントする場合はお相手と一緒に選びに行くと安心ですね。
ジュエリーのモチーフにも注意
最後にご紹介するのは意外と見落としがちな「ジュエリーのモチーフ」についてです。ジュエリーのモチーフには代表的なハートやスター、クロスなどがありますね。
関連記事:願いを込めて選ぼう!ジュエリーモチーフに込められた意味とは?
悪い意味を持つモチーフとして挙げられるのがダリアです。鮮やかな色合いや華やかな形から人気の高いダリアですが、黒色のダリアは「死の花」としても知られています。また、ダリア自体「裏切り、移り気、不安定」とマイナスな花言葉も付けられている花なので、贈り物として選ぶ際は注意が必要です。
また、日本では縁起が良いとされるフクロウは中国では縁起が悪いとされています。このように国や文化によってもモチーフの意味が変わってくるのでよく注意しましょう。
まとめ
- 花言葉のように宝石にもそれぞれ石言葉がある
- オパールの石言葉は「創造、活力、純真無垢」、昔ペスト流行の原因と考えられていた
- カイヤナイトの石言葉は「心の呪縛を解き放つ」、贈り物をした相手が心が縛られている状態にあると捉えられる
- ファイブロライトの石言葉は「警告」、不安感を煽られるように感じる場合も
- ジュエリーのモチーフにも注意しよう
いかがでしょうか?石言葉にも色々とあり、歴史的背景から悪い意味を持つ宝石もあります。
花言葉も石言葉も、誰が考えたものかを知る人はいません。しかし、言葉には魂が宿るというので、覚えておいて損はないでしょう。この機会に、色々な宝石の石言葉について知ってみてはいかがでしょうか?
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