越境ECとは、海外市場をターゲットとしたEC事業のことです。日本では中国・米国市場を中心として、年々市場規模が拡大しています。なんと、ここ10年で15倍も拡大しており、とりわけ最近では新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり需要で急拡大しています。
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そこで今回は、現在も市場拡大中の越境ECのこれからと、宝飾業界における越境EC戦略についてお話します。
越境EC市場が10年で15倍に拡大
経済産業省では毎年、日本国内におけるEC(電子商取引)の市場調査結果をまとめ、発表しています。その2020年版によると、日本・中国・米国の3国間における越境EC市場規模は5兆5,397億円となっています。
参考:『令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる 国際経済調査事業 (電子商取引に関する市場調査)』経済産業省
次に、2011年に発表された市場調査を確認してみますと日本・中国・米国の3国間における越境EC市場規模は3,789億円となっています。
参考『平成22年度我が国情報経済社会における基盤整備 (電子商取引に関する市場調査) 報告書』経済産業省
なんと約10年間で、越境EC市場は15倍にも拡大しているのです。
世界的な外出自粛は追い風か?
越境EC市場が拡大している背景に「世界的な外出自粛」はやはり関係しているでしょう。2020年に入りAmazonが売上高を飛躍的に伸ばして過去最高を記録している点を考慮しても、インターネット上における消費行動が確実に増加しています。
ただし、新型コロナウイルスのワクチン開発・普及に伴い、外出自粛は徐々に解除されていきます。アメリカでは地域によって2回のワクチン接種を終えた国民を対象に、外出時のマスク着用要請を取り下げているのです。
では、外出自粛の解除に伴いEC市場は縮小していくのでしょうか?おそらくその反対に、「さらに拡大していく」でしょう。
新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり需要はいわばきっかけであり、インターネット上の消費行動が増えたことで、多くの消費者が「ECネイティブ(ECを活用したショッピングを優先的に検討する)な消費者」へと変化しています。
実際、EC市場はコロナ禍以前から拡大傾向にあり、外出自粛は単純な追い風になったものの市場拡大の本質的な理由ではありません。やはり、「インターネットショッピングによる利便性の追求」が根本にあり、コロナ禍の影響で世代問わずその利便性を追求するようになっています。
宝飾業界の越境EC戦略
宝飾業界は越境ECに活路を見出すことで、事業成長できる可能性が大いにあります。その証拠に、PayPalが行った越境EC市場調査では、越境ECでの購入経験がある消費者のうち68%が「衣服、靴、アクセサリー」のファッションカテゴリにて商品を購入しているという結果が出されているのです。
参考:『PayPal Cross-Border Consumer Research 2018』PayPal
では、宝飾業界ではどのような越境EC戦略を取るべきなのでしょうか?
メーカー・ブランドはD2Cを積極的に展開する
宝飾業界において注目されているビジネスモデル(収益の仕組み)がD2C(Direct to Cutomer)です。いわゆる「メーカー・ブランドの直売」であり、自社で企画・製造した商品を展開して相場よりも安価かつ高品質に提供していきます。
越境ECを利用するユーザーが挙げる理由として最も多いのが、「商品の価格が安い」です(前掲のPayPal調査より)。そのため、D2Cによって高品質の商品を相場よりも安く提供できれば、それだけで強い競合優位性を発揮できます。
日本が持つ独自性を全面に押し出してみる
日本特有の独自性を発揮し、越境ECで成功した日本の宝飾企業がラッキー商会の「SAMURAI RING」です。海外でも人気の高い戦国武将をモチーフにした完全受注生産のリングを展開し、コアなファンを獲得しています。
それに合わせてアコヤ真珠やゴールド・シルバーを起用した商品も展開することで、ポピュラーなジュエリーの海外市場拡大にも貢献しています。
参考:『日本発のジュエリー「SAMURAI RING」 越境ECで成功した秘訣とは』Shopifyブログ
ShopifyなどのECプラットフォームを活用する
越境EC展開ではスピード感が求められます。なおかつ初期投資を抑える必要があるので、ShopifyやShopeeなどのECプラットフォームサービスを積極的に検討してください。
AmazonやeBayなど世界的なECモールを活用するのも手段の一つですが、「日本のジュエリー」という独自性を発揮するにはShopifyやShopeeなどを活用したECサイト構築がおすすめです。
こうしたECプラットフォームサービスは手間を削減しながらECサイトを構築できますので、独自性を発揮しながらスピード感のある越境EC展開が可能になります。
まとめ
日本の宝飾業界にとって越境ECは大きなチャンスです。また、ECプラットフォームサービスの充実化によって参入障壁も低くなっているので、越境ECへ挑戦するタイミングとしては最適でしょう。まずは「自社が持つ独自性とは何だろう?」と考え、越境ECでのビジネスチャンスを探ってみてください。
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