これからECサイトを運用する場合は「サイトコンセプト」についてじっくり考える必要があります。なぜなら、サイトコンセプトがECサイトの売上を左右する大きな要因になるからです。
ではどうやってサイトコンセプトを作ればよいのか?そもそもECサイトのコンセプトとは何か?今回はサイトコンセプトの基本についてお話します。
ECサイトのコンセプトとは?
コンセプト(Concept)とは抽象的な言葉であり、概念や観点、または基本となる考え方を意味します。つまりサイトコンセプトというのは運営する上で基本となる考え方であり、そのサイトを通じて何をしたいのかを具体化するための考え方とも言えます。
ECサイトにおけるコンセプトは「ECサイトを通じてお客様に何を届けたいか、どう届けたいかを基本となる考え方としてまとめた情報」です。サイトコンセプトを決める理由は他社との差別化を図ったり、資本力の強い大手企業とは違ったニッチ市場へ進出したり、ビジネス戦略を実現するためです。
たとえば男性か女性かを問わず、価格も幅広いジュエリーを販売するECサイトを作ったとしましょう。そうしたビジネスは大手の総合ECサイトの方が品揃えが良く、価格も低い傾向にあるので単純な資本力で勝敗がついてしまいます。
中小・小規模企業がECサイトで活路を見出すためには、サイトコンセプトをしっかりと設けてターゲットを絞ったビジネスを展開する必要があるのです。
サイトコンセプトの成功事例
たとえば「プロポーズ婚約指輪専門店 by箕面のちいさな宝石屋」というWebサイト。ECサイトではありませんが、明確なサイトコンセプトがありそれが全面に出ているため事例として参考になります。
同サイトを運営する株式会社ワイスタイルはもともと結婚・婚約指輪やファッションジュエリーの小売事業を中心とした企業です。そこからジュエリーのリフォームやデザインにまで事業を広げています。
しかし単に事業を広げるのではなく、デザインでは「プロポーズしたい男性」という明確なターゲットを定めて事業展開しており、「プロポーズ婚約指輪専門店 by箕面のちいさな宝石屋」はそのビジネス戦略をしっかりと反映したサイトコンセプトのもとで作られているのがわかります。
また、大阪府箕輪とその周辺に商圏範囲を絞ることで一部市場では大手企業よりも高い集客率を誇っているのではないかと考えられます。このように、サイトコンセプトを決めることは売上や市場シェアを大きく左右する原因であり、ECサイトではまずコンセプト決めがとても重要なのです。
宝飾業界のサイトコンセプトの決め方
では、ECサイトのコンセプトの決め方について簡単にご説明します。
①まずは「5W1H」の情報を整理する
まずは情報整理から始めましょう。誰に何を販売し、ECサイトとして達成したいことは何かを考えます。その際に「5W1H」に沿って情報を整理すると抜け漏れがなくなり、明確なサイトコンセプトが作れるようになります。以下に5W1Hの詳細と例を挙げて説明します。
why(なぜ)
なぜECサイトを運営するのか
コロナ禍に伴い自店舗での売上が低迷してきたため、ECサイトを立ち上げて売上の回復を図りたい。EC事業が軌道に乗ってきたら海外市場、とりわけ中国市場を視野に入れている。
what(なにを)
ECサイトで何を販売したいか、あるいは何を届けたいか
自店舗で取り扱っている商品が中心。自店舗の雰囲気に合わせてカジュアルなジュエリーが大半だが、オーナーが独自に買い付けた海外宝石の販売も行っていきたい。
who(だれに)
ECサイトを通じて商品やサービスをどういったお客様に届けたいか
20代後半~40代前半の女性がターゲット。ただし年代層をさらに細かく分けて、それぞれのターゲット層に合ったカテゴリを設けた商品展開がしたい。買い付け商品は高級品が多いため、主に30代後半・40代前半の女性がターゲットになる。既婚者の比重が高め。
where(どこで)
独自ECサイトやモール出店など、どのような形式でECサイトを運営するか
ECサイト運営と同時にブランドの確立を図りたいため独自ECサイトとして構築。最初はリスティング広告での露出を多めに、コンテンツマーケティングでGoogle検索からの流入にも徐々に力を入れていく。
when(いつ)
ECサイトを立ち上げる時期はいつか
ビジネス戦略に早急なテコ入れが必要なので、タイトだが3ヶ月後を目処にECサイトの運用を開始したい。
how(どのように)
ECサイトのコンセプトをどのように具体化するか
主にECサイトのデザインを高級感あるものにし、クレジットカードだけでなく電子マネーの決済手段も充実させる。また、現在運用しているInstagramアカウントとは別にECサイト用の運用を始めブランディングを図る
②サイトデザインの方向性を決める
「5W1H」での情報整理が終わったらECサイトのデザインを決めましょう。デザインに関しては運用開始後も変更できるため、試験的な感覚で色々なデザインを試していくことをおすすめします。一度決めたデザインの方向性が正しいとは限らないので、試行錯誤しながら決めていくという姿勢が大切です。
③サイトコンセプトは大幅に変更しない
一方、サイトコンセプトに関しては大幅な変更はやめましょう。たとえば上記のようなコンセプトのECサイト運用を始めて数ヶ月し、上手くいかないからといって「やっぱりカジュアル路線で行こう!」としても、それは全く新しいECサイトをゼロから作るようなものです。
サイトコンセプトは大幅に変更せず、最初は上手くいかなくても試行錯誤しながらECサイトを育てていく姿勢も大切なので、サイトコンセプトはじっくり検討してから決めることをお勧めします。
ECサイトのコンセプトに重きを置こう
明確なサイトコンセプトと、それをしっかり反映させたECサイトは他社サイトに比べて高い競合優位性があります。従ってこれからECサイトを運営する企業、すでに運営しているがサイトコンセプトを持っていない企業はじっくりと考え、売上増加に繋がるようなコンセプトを考案しましょう。
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