Google検索で「逆チョコ」が関心を集め出したのは2008年2月ということが、Googleトレンドというツールからわかります。10年以上前からある逆チョコは、すでに古いものになってしまったのでしょうか?
今回はバレンタイン商戦として何か新しいことはできないか?と考えているジュエリー業界の方々に向けて、現代のバレンタイン事情についてご紹介します。
バレンタインってどんな日?
バレンタインというのは西暦269年2月14日に、当時のローマ皇帝クラウディウス2世のキリスト教迫害下にて殉職したウァレンティヌス(ラテン語:Valentinus)という司教の活動を讃え、2月14日を恋人たちの記念日としたのが起源です。
クラウディウス2世は軍の士気が低下するのを恐れて兵士たちの結婚を禁止していました。ウァレンティヌスはこの禁令に背き、恋人たちの結婚式を執り行ったため捕えられました。最終的に処刑されてしまったウァレンティヌスですが、後に「恋人たちの守護聖人」として崇敬されるようになり、彼の殉職の日をバレンタインデーとして祝うようになったのです。
日本とは違う世界のバレンタイン事情
日本のバレンタインといえば「女性から男性をチョコを贈り、愛を伝える日」として有名ですね。また、本命チョコと義理チョコを使い分けるなどユニークな文化も根付いています。2008年頃から男性から女性へチョコを贈る「逆チョコ」が話題になり始め、現在でも2月14日が近づくと男性消費者を意識したチョコ商品が店頭に並んでいますね。
バレンタインはもともとキリスト教が普及している国や地域で祝われてきた記念日であり、日本では1960年ごろに流入したと言われています。しかし、その祝い方にはかなりの違いがあることをご存知でしょうか。
世界のバレンタインの特徴はまず、「男性から女性へ」もしくは「男性と女性の双方が」贈り物をするのが当たり前ということです。また、義理の習慣は基本的になく、あくまで恋人たちの記念日として祝われています。したがってホワイトデーのようなお返しの日を設けていないのも特徴です。
贈り物もチョコは少数派で、バラなどの花束、ジュエリーなどを男性から女性へ贈ったり、恋人同士でプレゼントや気持ちを込めたカードを贈り合ったりします。また、ベトナムでは日頃の感謝を表すために、男性が女性に尽くす日として普及しています。
ちなみに信仰者が90%近くキリスト教への信仰心が厚いブラジルですが、バレンタインは祝いません。ブラジルでは、縁結びの聖人とされる聖アントニオの命日の前日である6月12日を、恋人たちの記念日として祝っています。
今後は「男性から女性へ」が当たり前に
こうした世界のバレンタイン事情を考えると、日本でも徐々に「男性から女性へ」が当たり前になっていきそうです。コロナ禍により分断されたグローバル環境ですが、社会やビジネスのグローバル化は今後も加速すると考えられます。
コロナ禍によりデジタル上の行動量が圧倒的に多くなり、日本の中小企業でもIT活用が広く普及しました。デジタル世界には国境がないため、リアルでの人の往来は少なくとも国同士の結びつきは一層強くなる可能性があります。これにより、海外の文化が今まで以上に日本へ流入し、コロナ禍が収束する頃にはかつてないグローバル化が起きている可能性が高いのです。
海外のトレンドや文化を積極的に取り入れてきた日本ですから、バレンタインにおける文化も今後グローバル化すると考えるのは自然なことでしょう。数年後には「男性から女性へ」が当たり前になり、なおかつ贈り物はチョコに限定されず、海外と同じように恋人たちの記念日として祝われるようになるでしょう。
ジュエリー業界のバレンタイン商戦
ジュエリー業界ではすでに、「女性から男性へ」贈るジュエリー商品をバレンタイン商戦に組み込んでいるブランドがあります。一方でその逆の「男性から女性へ」ジュエリーを贈るバレンタイン商戦を展開しているブランドは少なく、何か新しい商戦をと考えているジュエリー業界にとっては、斬新なイベントを開催できます。
単にジュエリー商品を販売するのではなく、オリジナルカードを付けて贈り物と一緒に愛を伝えられるような手助けをすると、バレンタインに特別な何かをしたいが恥ずかしさで大胆な行動を取れない男性に受けるかもしれませんね。
2022年だからこそ新しいバレンタイン商戦を
2022年は世界的に「変革の年」となりそうです。新型コロナウイルス感染症が拡大してから2年、世界は新しい方向へ進もうとしています。毎年トレンドカラーを発表しているパントン社でも、世界の変革を受けてトレンドカラーに初めて新色を選出しています。
ジュエリー業界でも、2022年だからこその新しいバレンタイン商戦を展開してみてはいかがでしょうか?
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