新規会員登録

段差の解消は行動経済学を活用しよう

2021.04.30 2023.08.09

段差の解消は行動経済学を活用しよう

客単価を上げるには行動経済学で「壁の解消」が必須

フロントエンド商品を使って、集客をすることができても、本命商品(バックエンド商品)が思いのほか売れないことがあります。これはお客様がバックエンド商品を買うことに対して何かしらのハードルを感じているからです。ではお客様が持つハードルとは一体何なのでしょうか。また、お客様のハードルを取り除くにはどのような方法があるのでしょうか。

 

顧客が持つ印象や感情を切り替える

バックエンド商品に関心を持ちながら、買うことにためらいを感じるお客様の多くは、買うお金が無いわけではありません。買うことによって起こる心理的な壁が購入にブレーキをかけているのです。このような心理的な壁は、人間の心理的特性として誰もが自然に行っています。

 

だからといって、心理的な壁を取り除くことができないわけではありません。このような心理は、人間が持つ偏った思考や感情を切り替えるだけで、大きく変わることがあるのです。そしてお客様の心理的な壁を取り除くには、以下で解説する理論を理解し、活用することをお勧めします。

 

損失回避を強く求める『プロスペクト理論』

お客様の「心理的な壁」は、行動経済学によって理論化されています。行動経済学とは経済学と心理学を融合させた学問で、人はときに非合理的な経済活動を行ってしまうことを証明しているのです。

 

はじめに解説する理論は「プロスペクト理論」です。プロスペクト理論は、人が経済的な損得に対して偏った印象を持ってしまうことを証明しています。

 

人は損失を減らすことを重視する

例えば以下のような選択肢を与えられたとします。

① 100%の確率で50万円を得られる
② 50%の確率で100万円を得られ、50%の確率で1円も得られない

この場合、どちらの選択肢でも期待値は50万円なので差はありません。ところが人は確実な印象の高い①を選ぶ傾向があるのです。
 

では以下のような選択肢はどうでしょうか。

① 100万円の借金が100%の確率で50万円になる
② 100万円の借金が50%の確率で0円になり、50%の確率で変わらない

これも期待値は変わりません。ところが人は借金がなくなることを期待して②を選ぶ傾向があるのです。

このようにプロスペクト理論では、人は得するときは確実性を求める割に、損失を回避することには大きく勝負に出るとしています。なぜなら人は損することに、心理的ストレスを大きく感じるからです。

 

宝飾品を買う=損をするかも?というイメージ

プロスペクト理論をふまえれば、人がバックエンド商品を買うことに迷う理由が分かります。つまり人は大きな買物によってお金が無くなることに、心理的なストレスを感じているのです。「買って損したらどうしよう」「私に買う価値があるのだろうか」という心理は高額な商品を買うとき誰もが考えます。宝飾品も比較的高額な印象があるため、同様の心理的な壁ができているのです。

 

顧客が持つ印象が変われば心の段差は低くなる

一方で行動経済学は、このような心理的な壁を解消する手段も解明しています。それは、人はその場の印象で判断することが多いため、価格に対して損しているというイメージを軽減させることで心理的な壁を取り除くのです。

 

フレーミング効果で印象はがらりと変わる

AかBの選択肢

プロスペクト理論によると、人は低い確率のものほど、過大に評価する傾向があります。この心理を利用して確率の低い事象を強調して、商品の必要性を訴えるのです。例えば医療保険のセールスでは以下のようにしてフレーミング効果を利用しています。

(A) 90%の人が病気にならずにすみます
(B) 10%の人が病気になってしまいます

この場合、両方とも同じ内容です。ところが(A)の表現だと自分は病気にならないだろうというイメージが強くなります。一方で(B)になるとひょっとしたら自分も病気になるのでは?というイメージが強くなるのです。もし(B)の文言が広告に書かれていたら、保険に加入したくなりますよね。そのため保険会社は(B)の表現でお客様にアピールするのです。

 

ゴルディロックス効果でお買い得感を出す

さらに人は選択肢が3つに分れていたとき、中間のものを選ぶ傾向があります。これをゴルディロックス効果(松竹梅の法則)といいます。例えば以下のような商品の選択肢があれば、皆さんはどれを選ばれるでしょうか。

① 低品質だけど価格は1000円
② 普通の品質で価格は3000円
③ 高品質だが価格は5000円

情報量がこれだけの場合、多くの人は②を選びます。なぜなら低品質だと商品の良さが分からない可能性があります。かといって高品質を選ぶには、損するかも知れないという心理が働くからです。

 

宝飾業界では「無いと困る可能性」と「ラインナップの見せ方」が鍵

では宝飾品の販売で、お客様が持つ心理的な壁を取り除くにはどのような方法があるのでしょうか。それは宝飾品が必要な事例を紹介することと、商品のラインナップに工夫を凝らすことです。

 

宝飾品はいざというときに無いと困るもの

宝飾品は通常の生活では必要性を感じにくい商品です。しかしファッションや身だしなみとして必要なシチュエーションは間違いなくあります。その具体例を用意しておくと良いでしょう。また資産運用の手段として宝飾品を持つことはメリットがあります。宝飾品の販売ではこのような「いざという時に我が身を助ける品物」という点をアピールすることがお勧めです。

 

敢えて「高嶺の花」を先に提案する

商品のラインナップでは本命のバックエンド商品より、少し価格の高い商品と、大幅に格安な商品を置くことをお勧めします。これによってお客様には本命商品は適度に品質が良く、かつ廉価に押さえられたお買い得品だと感じるのです。

 

心の段差は「見せ方」で解消しよう

ステップアップ

このように同じ商品でもアピールポイントやラインナップを変えることで、印象が大きく変わることが分かります。フロントエンド商品に興味を持つ人の多くは、バックエンド商品の価格だけが問題ではないのです。価格に見合った価値を得られるかどうかが、購入の決め手になります。皆さんも今回の記事を参考にして、お客様に良い商品を納得して買っていただけるようになってください。


未来宝飾MARKETのご案内
資料請求・お問合せ
PAGE TOP