1962年に化粧品メーカーに色見本帳の印刷企業として創業したPantone（パントン）。現在では、その年のトレンドカラーを予測する企業で有名ですね。
1年のトレンドカラーはファッション業界だけでなく、宝飾業界にも大きな影響を与えます。中心となるカラー、それに合うカラー、流行をキャッチするだけで売上というのは変わるものです。今回は、PANTONEが発表したトレンドカラーと同色の宝石をご紹介します。
今年のトレンドカラーは「イエロー」
Pantoneが、ニューヨークに本社を置くストックフォト・音源を提供するShutterstockと共同で発表した2021年のトレンドカラーは…
- Illuminating（イルミネイティング） PANTONE 13-0647
- Ultimate Gray（アルティメット・グレイ） PANTONE 17-5104
の2色です。中でも目を引くのが鮮やかさとパステルカラーの中間のようなIlluminating。Pantoneのエグゼクティブ・ディレクターであるレアトリス・アイズマンはこの2色について「永続的なUltimate Grayと明るいイエローのIlluminatingの組み合わせは、不屈の精神に支えられたポジティブなメッセージを表現しています。」と述べています。（PANTONE JAPANより引用）
ちなみに流行色を予測するパントン・カラー・オブ・ザ・イヤーは過去22年間に渡り、ファッション・ホームファニシング・インダストリアルデザインなどを含む多数の業界において、製品開発や購入意思決定に影響を与えてきました。このため、PANTONEが選んだ「今年のカラー」は多くのファッション誌等で取り上げられ、そのままトレンドカラーになるケースも少なくありません。
美しいイエロージュエリー
それでは、鮮やかなイエローが美しい宝石の数々をご紹介します！
①イエローアパタイト
透き通ったカラーと、主にブルーやグリーンが有名なアパタイト。希少価値の高いイエロー・アパタイトは今年のトレンドカラーであるIlluminatingに近い色合いを持っています。ただし、アパタイトは高度が低いことから宝石として加工できる部分は限られており、それがイエロー・アパタイトの価値をさらに高めています。
②シトリン
フランス語でレモンを意味する「Citron」に由来した宝石で、黄水晶という和名もあります。紫水晶であるアメシストに人工的な加熱処理を加えることで赤みがかったイエローに変色し、独特の輝きを放ちます。天然のシトリンは鉱山の中でアメシストが自然に熱せられたもので、希少価値は非常に高く、市場に流通する数は多くありません。
③トパーズ
イエロージュエリーの代表格であるトパーズは、シトリンのように赤みがかったイエローとなっています。ただし、トパーズのイエローは天然色なので加工されたシトリンよりも市場価値はかなり高いです。オレンジ色が強いインペリアルトパーズはトパーズの中でも最高級とされ、日本国内で産出される宝石としても知られています。
④アンバー
アンバーは琥珀のこと。正確には鉱物ではなく、大昔の樹木が分泌した樹液が地中に埋もれ、長い年月をかけて化石となった樹脂です。しかし見た目が美しく、鉱物と比較しても遜色ないことから宝石として知られています。アンバーはアラビア語で「香りを放つ」を意味し、アンバーを燃やすと良い香りがすると言われています。
⑤スペサルティンガーネット
発見地であるドイツ・シュペッサルトが由来になった宝石です。オレンジに近いイエローであり、燃えるような色をしています。見た目通りに石言葉は「秘めたる情熱」で、ジュエリーとして身につけると力が湧き上がってくるような感じから贈り物にもピッタリです。
⑥ファンシーイエローダイヤモンド
宝石の王様、ダイヤモンド。その中でも深いイエローを宿したものをファンシーイエローダイヤモンドと呼びます。希少価値が極めて高く、カラーグレードもあります。通常のダイヤモンドと合わせてセットされることが多く、存在感も抜群です。
⑦ファイアオパール
宝石の中に揺れ動く炎のようなカラーを秘めているのがファイアオパール。イエローに限定される宝石ではなく、オレンジやレッドなど様々な色合いがあります。その中でもイエローベースのファイアオパールは特に美しく、太陽の恵みを閉じ込めたような光を放っています。
カラーセラピーから見るイエローの効果
いかがですか？イエローは、カラーセラピーの観点から「希望の色」として知られています。身につける人を明るく元気にし、不安・恐怖・絶望といった負の感情の中でも光を見出し、未来に進んでいくという非常にポジティブなカラーです。コロナ禍によって暗いニュースが続いた2020年。そんな1年を吹き飛ばすためのカラーとして、イエローは選ばれたのかもしれません。
