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効率化を目指すなら、世界のトヨタを真似るだけでいい

2021.05.10 2023.08.09

効率化を目指すなら、世界のトヨタを真似るだけでいい

2020年の年間販売台数において、世界首位を5年振りに奪取したトヨタの勢いはどこまで続くのか?

 

名実ともに世界ナンバーワンの自動車メーカーとして知られるトヨタ(トヨタ自動車株式会社)は、日本の「業務効率化の祖」とも呼べる存在です。今回は、トヨタがなぜ世界の自動車メーカーになったのか?から振り返り、日頃のビジネスに取り入れられる効率化のポイントをご紹介します。

 

トヨタはなぜ世界の自動車メーカーになれたのか?

トヨタの源流が紡織業にあることを知る人は、あまり多くないでしょう。創始者である豊田佐吉は日露戦争が激化し、アメリカではセオドア・ルーズベルトが大統領選に勝利した1904年、日本で初めての自動織機を発明。そのスピリットは自動車メーカーとして成長した今でも、トヨタ紡織やトヨタ自動織機といったグループ会社に受け継がれています。

 

豊田佐吉が開発した自動織機の何がすごかったかというと、1925年に開発したG型自動織機には布を織るための糸が切れると機械が自動的に止まる仕組みを組み込んでいたことです。これは現在のトヨタ生産方式(TPS)で掲げられている「ニンベンが付いた “ 自働化 ” 」に色濃く反映されています。

 

TPSにおける自働化とは、製造業において不良が発生し、それを市場に流通させてしまえばきっちり働いたことにはならない。だからこそ不良を検知し、即座に生産を止める仕組みが必要であるという想いが込められています。

 

トヨタは自動車メーカーではなかった創業当初から市場を考え、日々試行錯誤しながら改善を続けてきたからこそ、今の地位があるのです。

 

トヨタ発 “ カンバン方式 ” について知ろう

TPSには他にも “ カンバン方式 ” と呼ばれる生産プロセスが存在し、これは効率化を目指す企業や店舗にぜひ知っていただきたい知識です。

 

トヨタでは「必要なものを、必要な時、必要な量だけ供給する」ことを “ジャスト・イン・タイム ” と呼んでいます。そこで用いられている手法がカンバン方式であり、やり方は至ってシンプルです。

 

製造工程で部品を使用すると、その前工程にカンバンと呼ばれる指示書が送られます。後工程から届いたカンバンを元に部品の生産を行い、少なくなった分を補填するのです。実際は10以上の工程でこのカンバン方式が用いられるので、説明するよりも複雑ですが原理としてはシンプル極まりないものです。

 

このカンバン方式を取り入れたタスク管理手法がビジネスでは日常的に使用されています。ホワイトボードを縦割り・均等に3つのペイン(領域)に分けて、左をタスク一覧、真ん中を実行中、右を実行済みとします。プロジェクトに必要なタスクを全て付箋に書き出してタスク一覧に貼り付けたら、優先度の高いタスクから実行中に移動してタスクを遂行します。完了したタスクは実行済みに移し、タスク一覧から新たに実行中に移し、常に一定のタスクが実行されている状態を作り出すという手法です。

カンバン方式イメージ

これも効率化の一種で、チームでプロジェクトを推進する際にタスクの洗い出しと進捗管理をスムーズに行えます。メンバーごとに色の違う付箋を用意すれば、誰がどんなタスクを抱え、現在何をして何が完了したのか、そして負荷状況まで把握できるというわけです。

 

自社も取り入れたい効率化ポイント

では、接客業においてトヨタのTPSやカンバン方式といった効率化手法は、どうやって取り入れれば良いのでしょうか?

 

まず着目したいのが “ 自働化 ” です。トヨタでは主に生産機械に組み込まれる仕組みのことを指しますが、これを「自分で働くようになる仕組み」と言い換えれば接客業でも取り入れられそうですね。多くの店舗販売において、販売員の権限というのは限られています。従って、本社やマネージャーの指示を仰がないと動けない場合がほとんどです。

自働化ではその状況を変化させ、販売員にも一定の権限を与えて業務範囲を拡大します。もちろん、間違った方法で業務を遂行しては不利益になってしまうので、間違いを早期発見するための自働化も組み込むとより効率的なシステムとして機能するでしょう。

 

カンバン方式はプロジェクトにおけるタスク管理だけでなく、日常のタスク管理や社員教育にも取り入れられる手法です。トヨタの画期的な生産方式に学べることは多く、非製造業でも参考に出来る部分はたくさんあります。

 

自社だけの効率化を始めよう

アイデア

トヨタなどの他社事例を参考にしながら効率化を目指すのは、スタートとしては正解です。ただし、完全に同じ環境に置かれた企業は二つとないので、独自の効率化を目指すことが最終的には大切でしょう。効率化はいつの時代でも取り組めますし、終わりはありません。常に業務プロセスや情報共有などの効率化を考えながら日々を送り、新しいリソースを生んだり、利益の幅を広げたりとより良いビジネスに向けた取り組みを進めていただけたらと思います。

 

 


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