
自分の手でダイヤモンドを掘り当てる――そんな夢のような体験ができる場所があるのをご存じですか?残念ながら日本ではありませんが、その場所では火山跡地に隠れた本物の天然ダイヤモンドを採掘することができます。
そもそもダイヤモンドはなぜ希少とされているのでしょうか?本記事ではダイヤモンドの採掘と希少価値に焦点をあて、
- 採掘方法
- 産出国ランキング
- 一般人でも採掘できるスポット
- ダイヤモンドの価値を決める要素
について詳しく解説します。ダイヤモンドの価値と希少性を理解しながら、ダイヤモンド採掘のロマンに触れてみましょう。
ダイヤモンド採掘の基本を知る
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 主な採掘方法
- 世界の採掘量ランキング
ダイヤモンドは地球深部で高温高圧の環境下に生成され、火山活動によって地表近くに運ばれます。採掘には特殊な方法が用いられ、商業的な採掘は限られた地域でしか行われません。主要な採掘国や世界的な産出状況を知ることで、ダイヤモンドの希少性や資産的価値をより深く理解できるようになります。
ダイヤモンドの採掘方法
ダイヤモンドの採掘には、大きく分けて「露天掘り」「坑内掘り」「河川採取」の3つの方法があります。
露天掘り
「露天掘り」は地表からぐるぐると大きな渦を巻くように掘っていく手法です。地表近くの鉱床を大規模に掘削する方法で、ボツワナやロシアの鉱山で広く行われています。
坑内掘り
「坑内掘り」はトンネルを掘って地下にアクセスし、鉱脈に沿って採掘していく手法です。南アフリカやロシアの一部鉱山で行われています。
河川採取
「河川採取」は地表に流れ出たダイヤモンドを手作業で回収する方法です。川の土砂を大きな専用の皿(パンニング皿)で採取し、水で洗浄しながらダイヤモンドを探します。大規模な採取はできませんが、アンゴラやコンゴ民主共和国などで実施されています。
ダイヤモンド採掘量ランキング【2024年】
ダイヤモンド原石は「キンバリープロセス」という国際的な証明制度によって99%以上が管理されており、キンバリープロセスが公表しているデータを見ることで世界の生産量(採掘量)を把握することができます。おもな上位国を見てみましょう。
国 | 生産量(カラット) | シェア | |
---|---|---|---|
1位 | ロシア | 3732万 | 30.9% |
2位 | ボツワナ | 2818万 | 23.3% |
3位 | アンゴラ | 1402万 | 11.6% |
4位 | カナダ | 1332万 | 11.0% |
5位 | コンゴ | 978万 | 8.1% |
ダイヤモンドの供給源は非常に偏っており、1位のロシアと2位のボツワナだけで全体シェアの50%以上を占めています。3位から5位までの生産量を合わせてもロシアの生産量にはおよびません。
採掘されるダイヤモンドは何億年も前に地球の内部で作られ、火山活動によってたまたま地表近くに運ばれたものです。特殊な環境下でしか誕生しないため、限られた場所でしか採掘することができません。例えば日本のように比較的新しい地層では、ダイヤモンドの発見事例こそあるものの、鉱脈が見つかる可能性は限りなく低いでしょう。
世界のダイヤモンド採掘量ランキングとシェア率を見ると、限られた国からしか産出しないこと、上位2か国が市場を支配していることがよく分かります。特にロシアにはまだ多くのダイヤモンドが眠っているとされており、圧倒的なシェア率は続くと予想されます。
誰でもダイヤモンド採掘ができるスポット
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 自由に採掘ができる「ダイヤモンド・クレーター州立公園」
- 実際に見つけてニュースになった例
ダイヤモンド採掘というと専門的な採掘作業を思い浮かべがちですが、実は観光客や一般の人でも挑戦できる場所があります。アメリカのとある州立公園では、個人でダイヤモンドを掘ることができ、しかも掘り当てた石はそのまま持ち帰ることができます。実際にニュースになった発見事例とともに、ロマンあふれるダイヤモンド採掘についてご紹介します。
ダイヤモンド・クレーター州立公園
アメリカ南部、アーカンソー州にあるダイヤモンド・クレーター州立公園は、世界でも珍しい「一般人が自由にダイヤモンドを採掘できる公園」です。広大な火山跡地が公園として整備されており、入園料(15ドル/2025年現在)を払えば誰でもダイヤモンドを探すことができます。
最大の魅力は「掘り当てたものは持ち帰りOK」という点で、どんなに大きなダイヤモンドでも、見つけた本人の所有物として持ち帰ることができます。(※)さらに、採掘した岩石や鉱物を受付に持って行くとその場で鑑定してもらえます。
※ダイヤモンド原石を日本に持ち帰るには、輸出国が発行した「キンバリー・プロセス証明書」が必要です。
ダイヤモンド・クレーター州立公園の広大な敷地、この中のどこかにダイヤモンドの原石が眠っている
採掘方法は土砂の中からダイヤモンドを探し出す「パンニング」に近い作業です。ごくまれに「歩いていたら見つけた」という事例もありますが、歩きながら分かるほどのサイズが見つかることはめったにありません。また敷地は広大なため、どのポイントを選んで採掘するかという運要素も大きいでしょう。
実際に見つけてニュースになった例
2015年に見つかった8.52カラットのホワイトダイヤモンド(Photo credit: Crater of Diamonds State Park)
ダイヤモンド・クレーター州立公園では1906年に初めてダイヤモンドが発見されて以来、今までに7万5000個以上のダイヤモンドが見つかりました。1日平均1~2個のダイヤモンドが発見されますが、一般人が偶然大きなダイヤモンドを発見してニュースになることが度々あります。直近では2025年7月、フロリダ州から来たカップルが3.36カラットのダイヤモンドを発見しニュースになりました。
- 2024年 7.46カラットのブラウンダイヤモンド(フランスからの観光客)
- 2023年 4.87カラットのダイヤモンド(到着から約10分で拾う)
- 2015年 8.52カラットのホワイトダイヤモンド(歴代5位の大きさ)
こうした事例を見ると、知識や経験が無くてもダイヤモンド原石を手にできるかもしれない…と夢が広がりますね。もちろん運の要素は大きいものの、実際にダイヤモンドを見つけた人が多く存在することがこの公園の魅力を物語っています。
ダイヤモンドの価値を決める要素
この章で扱う主なポイントは以下のとおりです。
- 評価基準(カラット・カラー・クラリティ・カット)
- 市場での価格動向と資産価値
ダイヤモンドの価値は、国際的に定められた評価基準によって総合的に判断されます。さらに市場全体の需給バランスや長期的な価格推移も、資産性を左右する大きな要因です。この章では評価の基準と市場での価値変動について整理し、購入や売却を検討する際に役立つ視点を解説します。
評価基準の4C
- カット(Cut):研磨・加工の質、輝きの美しさに直結
- クラリティ(Clarity):透明度の指標、内包物が少ないほど希少
- カラー(Color):色の評価、無色に近いほど高評価
- カラット(Carat):重さを示す単位、大きいほど価値が高い
ダイヤモンドの価値を判断する際に広く用いられるのが「4C」と呼ばれる基準です。カットは輝きを最大限に引き出すための加工技術で、理想的なプロポーションを持つものは高評価を得ます。クラリティは内包物や傷の有無を示し、透明度が高い石ほど希少性が増します。カラーは無色に近いほど評価が高く、わずかな黄色味でも価格差が生じます。カラットは重さを表し、同品質なら大きいほど高額になります。
これら4つの要素は独立しているようで互いに影響し合い、総合的なバランスによって市場価格が決まります。購入や売却の際にはこの「4C」を理解しておくことが大切です。
市場動向と資産価値
- 景気が後退しているときには価格が安定または下落する
- 2025年時点では需要の低下により価格が下落
- ダイヤモンドの在庫は潤沢で、供給量は調整されている
- 4Cのグレードが高いものは資産として安定
ダイヤモンドの価格は国際的な需給バランスや景気動向によって変化します。景気が好調な時期には需要が高まり価格が上昇する傾向がある一方、景気が後退しているときには需要が落ち込み価格が安定または下落する傾向があります。
アメリカや中国でダイヤモンドの需要が停滞すると、鉱山会社は供給過多による価格低下を防ぐために減産や供給量の絞り込みを行います。「供給が減れば価値が上がるのでは?」と思われるかもしれませんが、ダイヤモンドの供給量は業界大手のデビアス社によって厳密に調整されており、急に価格が上がったり下がったりすることはありません。
また、ロシアにはまだまだ多くのダイヤモンドが眠っているとされ、この先供給が無くなる可能性は低いと言えるでしょう。
ですから「ダイヤモンド=すべて希少性が高い」と考えるのは危険です。資産として保有する場合は、先にご紹介した「評価基準の4C」を重視する必要があります。カラット数が大きく、透明度・カラー・カット全てにおいて高評価のものは希少価値が高いため資産として安定するでしょう。
まとめ
今回はダイヤモンドの採掘から価値の基準までを整理しました。要点をまとめると以下のとおりです。
- ダイヤモンドは露天掘り・坑内掘り・河川採取など限られた方法で採掘される
- 世界の採掘量ランキングはロシア・ボツワナ・カナダなどが上位を占める
- アメリカの州立公園では、個人でもダイヤモンド採掘して持ち帰ることができる
- ダイヤモンドの価値は「4C」と市場動向で決まる
- 現在ダイヤモンドの価格は下がっているが、「4C」が高評価のものは価値が安定している
ダイヤモンドは憧れの宝石であると同時に、未来へつなぐ資産でもあります。正しい知識を持ち、採掘や価値判断の仕組みを理解することで、購入・保有・売却のすべてにおいて納得のいく選択ができるでしょう。
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