2023年に行われたツーソンジェムショーで注目を集めたのがマゼンタカラーの宝石です。力強く鮮やかでありながら、どこかクールな印象もある複雑な色をしたマゼンタカラー。どんなカラーで、どんな宝石があるのでしょうか。魅力をご紹介いたします。
マゼンタ(Magenta)とは?
マゼンタは明るい赤紫色で紅紫色(こうししょく)とも呼ばれています。「マゼンタ」の由来はイタリアのミラノにある街の名前です。1859年、イタリア統一を目指す連合国がマジェンタの戦い※で勝利を納めた同時期に鮮やかな赤紫色の染料が発見されました。その染料は戦勝地にちなんで「マゼンタ」と名付けられたのです。
※1859年、イタリアとフランスの連合軍がオーストリア=ハンガリー帝国軍に勝利を収めた。
色料の三原色の一つで、カラープリンターのインク・トナーに使われています。プリンターを使ったことのある方なら、マゼンタという名前は聞いたことがあるかもしれませんね。この華やかなマゼンタとニュアンスの近い色ビバ・マゼンタが「カラー・オブ・ザ・イヤー2023」に選ばれました。
「カラー・オブ・ザ・イヤー」はアメリカの色見本を作っている会社「パントン」が発表しています。いわばカラーの専門家なのですが、その会社が2023年に選んだのが「ビバマゼンタ(Viva Magenta)」と言うカラーです。暖色系と寒色系のバランスが取れていて、「従来とは異なる型破りな時代にふさわしい、新鮮な色」と表現されています。
ツーソンジェムショーで注目されたマゼンタカラー
ツーソンジェムショーは、アメリカアリゾナ州で年に1回開催される世界最大規模の宝石の展示会。そこでは今後のトレンドが決まることもあり、世界中から注目されているのです。
2023年に注目されたカラーはパープル、オレンジ、ティールブルー、エメラルドグリーン、そしてマゼンタです。特にマゼンタは前述したカラー・オブ・ザ・イヤー2023にてビバマゼンタが選ばれていますから、より注目度が高くなっていきそうですね。
参考:Amanda’s Style File: The 5 Colors Trending in Tucson – National Jeweler.
関連記事:【2023ツーソンで注目】ティールブルー(青緑)の宝石7選
マゼンタカラーの宝石
それではマゼンタカラーの宝石をご紹介していきましょう。マゼンタカラーの宝石は実は色々あります。同じ色でも宝石種によって違いがあり、魅力も様々ですよ。
ルベライト
ルベライトはレッドトルマリンのこと。ピンク味を帯びた濃い赤色はマゼンタカラーの宝石の代表と言っていいのではないでしょうか。トルマリンは様々な色がありますが、その中でもルベライトは産出量も比較的少なく人気も高いです。また、トルマリン自体が内包物が多い宝石なので、透明度が高く色の濃いものは希少性が高くなりますよ。
ピンクトルマリン
ルベライトよりもピンク寄りのトルマリンで可愛らしいカラーが人気があります。正確にはマゼンタよりも淡めのものが多いかと思いますが、強い色味は身につけにくいと感じる方にはピンクトルマリンの方がいいかもしれません。
スピネル
スピネルは鑑別技術が生まれてから広く知られるようになった宝石です。それまではルビーだと思われてきました。エカチェリーナ2世が戴冠式のために作った王冠、そして大英帝国王冠の正面についた「黒太子のルビー」など、名だたる王冠についたルビーが実はスピネルだったという話はあまりにも有名です。スピネルはルビーのように最高の美しさを持つ宝石だったということですね。
レッドスピネルが最も評価されるのは鮮やかな純色の赤色なので、マゼンタカラーのスピネルは少し王道から外れるカラーになります。ですが、強い輝きを放つため、エネルギッシュな美しさを楽しめます。
関連記事:ジェダイスピネルとは?その特徴と産地、アジア圏で流行の理由を考察
ルビー
赤色宝石の代表と言えるルビーにもマゼンタカラーが存在します。特にスリランカ、ベトナム産のルビーは赤色にピンク、紫味が強いものがあり、マゼンタカラーに近くなることがあるのです。
マゼンタカラーのルビーは少しでもピンクや紫色が強過ぎれば、鑑別ではピンクサファイアかパープルサファイアと表記される可能性があります。王道のカラーではありませんが、そのため王道のカラーよりもお手頃な価格になっている可能性があります。
関連記事:ルビーとピンクサファイアの違いは?鑑別ラインと両者の特徴の相違
ロードライトガーネット
「薔薇色のような」という意味を持つ赤紫色のガーネット。ガーネットの中で最も人気があると言われるほどファンが多い宝石です。妖艶でミステリアス、エレガントな美しさがあり、比較的大粒のものが見つかるため、パーティ用のジュエリーにすることも多い華やかさが魅力です。
嬉しいのは大粒でもルビーなどに比べると比較的お手軽な価格で手に入るところ。大粒好きな方にオススメです。
トパーズ
トパーズのカラーといえばインペリアルトパーズの褐色がかったオレンジやイエロー、鮮やかな青色が美しいブルートパーズが一般的です。ですがインペリアルトパーズの中には赤色のものもあり、レッドインペリアルトパーズと呼ばれています。ほとんど産出されないのでとてもレアなカラーですよ。
お気に入りのマゼンタカラーを見つけよう
マゼンタカラーの魅力とその色の宝石を紹介させていただきました。カラー・オブ・ザ・イヤー2023とツーソンジェムショーの両方で注目されているマゼンタは今年のジュエリー業界に新しい流れを作ってくれるのではないでしょうか。ぜひジュエリー・宝石をご覧になる機会があればマゼンタの宝石に注目してみてくださいね。
大切なジュエリーを少しでも高く売りたい方へ
買取店を回らず高く売りたい方は、未来宝飾MARKETの「ジュエリーオークション買取」にお任せ下さい。お送りいただいた商品を、お客様に代わってオークションへ出品します。送った後はお家で落札結果を待つだけ!スピード重視の「宅配買取」もございます。
- オークション買取だから価格が競り上がる
- フリマアプリと違って「売れるタイミング」「価格交渉」のわずらわしさが無い
- プロのバイヤーが競るから相場が分からなくても安心◎
- 査定・返品送料・キャンセル料0円
関連記事
- 【2023ツーソンで注目】ティールブルー(青緑)の宝石7選
- ルビーとピンクサファイアの違いは?鑑別ラインと両者の特徴の相違
- ジェダイスピネルとは?その特徴と産地、アジア圏で流行の理由を考察
- 価格が違うのはなぜ?似ている宝石の価値の違い
- 【1月の誕生石】赤だけじゃないガーネットの魅力
- アーガイル鉱山閉山によるピンクダイヤモンドの行方と価値は?