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個性的なカットの宝石が急増中!世界的に人気の訳とは?

2023.11.15 2025.02.06

個性的なカットの宝石が急増中!世界的に人気の訳とは?

ジュエリーショップでキラキラと輝く宝石たち。そのほとんどが原石の状態から人の手でカットが施されています。カットは宝石の美しさを最大限に引き出すためにおこなわれる大切な工程で、色を濃く鮮やかに見せたり輝きを増幅させることができます。最終的に宝石が美しく輝くかどうかはカッターの腕次第と言ってもよいでしょう。

紀元前からいろんなカットが生み出されてきましたが、近年注目されているのが「希少性」や「個性的な見た目」を持つ宝石です。トレンドになっている個性的なカットをご紹介します。

 

ユニークなカットの宝石が人気

ユニークなカットの宝石が人気

ファッションよりも緩やかですが宝石にもトレンドがあります。最近ではカラーストーン人気に加えて、カットにも個性を求める傾向が強まっているようです。

2023年9月にコロラド州のデンバーで開催されたハードロックサミットトレードショー(アメリカを代表する秋のハイジュエリー、宝石、鉱物、化石のショー)では、個性的なカットを施した宝石が多く展示されていて注目を集めていたようです。世間では多様性が認められる時代となってきていますから、個性的でオリジナリティのある宝石が注目されているのかもしれませんね。

さらに、アメリカの鑑別機関であるGCAL(Gem Certification & Assurance Lab)の最高責任者であるアンジェロ パル​​ミエリは「2020 年に初めて、GCAL ラボを経由したファンシーの数がラウンドを超え、今もこの傾向は続いている」とコメントしています。

引用元:GCAL Introduces 8X Cut Grade for Proprietary Cuts

関連記事:【2023ツーソンで注目】ティールブルー(青緑)の宝石7選

 

個性的なカットの宝石が人気の訳は?

王道のラウンドブリリアントカット、オーバルカット、プリンセスカット、カボションカットなどオーソドックスなものはデザイン・加工がしやすいという特徴があります。

それに対して特殊なカットは、専用の石座(宝石をセッティングする座の部分)を作る必要があるため、ジュエリーも唯一無二のデザインになることが多いんですよ。個性的なカットの宝石はルースのままでも、ジュエリーに加工した後でも「自分しか持っていない」という特別感を与えてくれます。

関連記事:ファンシー&ファンタジーカットの違いは?研磨の種類と魅力を解説

 

ウォズ カット

八角形のクッション カット「ウォズカット」
The Gemstone World Is In Its Unique Cut Era」National Jeweler

最近SNSでちらほらと見かけるようになった八角形のクッション カット。Columbia Gem Houseによる「ウォズ カット( Woz Cut,)」です。一目で今までにないカットだとわかるのに、どこか既視感がある不思議なフォルムをしています。中心部は大ぶりで華やかさのある輝きで、両端になるにつれ細かく繊細な輝きになっているように見えます。

少しオーバルカットの柔らかな輝きに近いように感じますが、八角形が全体をスッキリとした印象にしています。ユニセックスなジュエリーにも合わせやすそうですね。

通常の特殊なカットは物珍しさや斬新さで注目されるよう実験的にカットされることが多く、単発で終わることも多いです。ですがウォズカットは40年前にジョン ウォーゼンクラフトによって生み出されました。一人のカッターが長年大切にしてきた拘りのカットはこれからも多くの宝石ファンを魅了していくことでしょう。

 
 
 
 
 
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ポートレートカット(スライスカット)

ポートレートカット(スライスカット)
A Gem Cutting Style Gets a Reboot」New York Times

ポートレートカットも近年人気が高まっているカットです。スライスカットという名前で知っている、という方も多いかもしれませんね。その名の通り、宝石を薄くスライスしたようなカットで、場面が広く芸術的なインパクトが強いのが特徴です。

スライスダイヤモンドの一般的なカットはラスクと呼ばれていて、時計のカバーガラスのように平らで薄くカットされています。側面には額縁のように最小限のファセットがあり、ダイヤ特有の鋭い光を放ちます。中からの輝き(シンチレーション)はありませんが、宝石内のインクルージョンなど天然の美しさや神秘さを楽しむことができます。また、カラット当たりの見た目がはるかに大きく見えるというメリットも持ち合わせています。

スライスダイヤモンドは日本でもここ数年でよく出回っている印象がありますが、実はかなり古くから存在するカットなんですよ。18世紀には肖像画を守るために上からポートレートダイヤモンドをはめ込んだリングが作られています。

肖像画を守るために上からポートレートダイヤモンドをはめ込んだリング
A Gem Cutting Style Gets a Reboot」New York Times

 

一味違うカットの宝石で個性を楽しもう

カラーストーンの人気とともに、個性的な宝石が求められるようになってきた昨今。カットも従来の形にとらわれない特殊なものが続々と登場するようになってきました。今回は、八角形のウォズカット、薄くスライスされたようなポートレートカットをご紹介しました。どちらも強い個性と魅力を持ち合わせていますね。

特殊なカットが施された宝石は個性的でジュエリーにした時にオリジナル感が強く出ます。宝石は一つとして同じものがありません。オリジナリティあふれるカットはその「自分だけの特別感」をさらに高めてくれるのかもしれませんね。皆さんもぜひカットにも注目して宝石を探してみてはいかがでしょうか。

 

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