クリソベリルはイエロー〜グリーンの爽やかなカラーと強い輝きが魅力の宝石で、独特の美しさと特性を持つ宝石として知られています。ただ、クリソベリルと聞いてもあまりピンとくる方は少ないかもしれません。ですが、昔から人気のキャッツアイや世界3大希少石の一つであるアレキサンドライトはこの宝石の変種なのですよ。
今回は、クリソベリルの魅力と、その仲間であるクリソベリルキャッツアイ、アレキサンドライト、パロットクリソベリルそれぞれの魅力についてご紹介します。
クリソベリル
クリソベリルの和名は「金緑石(きんりょくせき)」という名で、色相は一般的にイエローからグリーンの間が多いです。他にもブラウン、ミントグリーン、緑褐色、カラーレスなどとても多彩で、優しい色合いからインパクトのある華やかなものもありますよ。
屈折率が高く輝きが強い宝石で、透明度も高いものが多いため、少しの光で強い輝きを放ちます。特に鮮やかなイエローはスポットライトの光が当たると、まるでライトを点滅させたような眩い輝きを感じることができます。
モース硬度8.5とルビー、サファイアに次いで丈夫な宝石としても知られ、ジュエリーとしても身につけやすく扱いやすいのが魅力です。
クリソベリルをジュエリーにするなら
クリソベリルの魅力はその透明度と美しい色合いです。ファセットカット(多面体にカットされた形)が施されることが多く、サイズは小ぶりなものから大ぶりなものまで手に入ります。
硬度が高い宝石のためリングにも適していますが、大ぶりなサイズは輝きが強いので、ネックレスにするとお顔周りの印象を華やかにしてくれます。明るいカラーは活発な印象に、ブラウンや落ち着いたグリーンは優しくエレガントなイメージにしてくれますよ。
クリソベリルキャッツアイ
「ミルクアンドハニー」と呼ばれる最高品質のキャッツアイ
クリソベリルの中でもキャッツアイ効果をもつ「クリソベリルキャッツアイ」は古くから愛されてきた宝石です。キャッツアイ効果(シャトヤンシー)とは、宝石の正面から光を当てると猫の目のような一筋の光のラインが浮かび上がる現象のことをいいます。ガーネットやトルマリンの中にもキャッツアイ効果が現れるものがありますが、クリソベリルキャッツアイは特に美しく、キャッツアイが出る宝石の代名詞となっています。
その理由は宝石の中に入った内包物の違いです。キャッツアイ効果は宝石の中に入った針状インクルージョンやチューブインクルージョンなどの内包物によって生み出された現象です。クリソベリルの中に入る内包物は肉眼で見えないほど細く長く均等に入るため、光を当てることで非常に整った鋭い光を放つのです。
最高品質のキャッツアイはミルクアンドハニーと呼ばれ、キャッツアイを境に半分がはちみつ色、もう半分が乳白色という不思議なコントラストを見せます。他にもアップルグリーン、オレンジがかったブラウン、ブラウングリーンなどもあります。
クリソベリルキャッツアイをジュエリーにするなら
キャッツアイ効果のあるクリソベリルは、その独特の光の遊びが魅力です。宝石に光が入りやすく、自分でもキャッツアイ効果を楽しめる指輪がオススメですよ。格式高いキャッツアイの指輪は着物やパーティドレスなどのフォーマルなファッションとも相性が良いですよ。
アレキサンドライト
クリソベリルの中には、アレキサンドライトという特別な種類があります。アレキサンドライトは、光源によって色が変わる「変色効果」を持つことで知られています。アレキサンドライトの変色効果は日光や蛍光灯の下では緑色や青緑色を呈し、白熱灯やキャンドルライトの下では赤色や紫色に変わるという特性です。この変色効果は、クリソベリルの着色原因であるクロムによって引き起こされます。変色効果とキャッツアイ効果の両方を兼ね備えているアレキサンドキャッツアイという非常に珍しいクリソベリルも存在しています。
アレキサンドライトをジュエリーにするなら
アレキサンドライトは希少で小粒なサイズが多いことと、自分でカラーチェンジを楽しめることからリングにするのがオススメです。メレダイヤモンドをふんだんに使ったゴージャスなリングも良いですが、日常使いもしたいという場合はシンプルなアームのリングでカジュアルに楽しむとよいでしょう。シンプルなリングは重ね付けができ、パーティなどの華やかな席ではダイヤモンドの一文字リングと合わせると華やかさが出ます。
パロットクリソベリル
パロットクリソベリルは1990年代〜2000年代前半の短期間で見つかった宝石で、美しい鳥の羽の色を思わせるビビッドなライムグリーンの色が特徴です。インドのオリッサ州のチンタバリ鉱山で産出されたといわれています。少しの光でも美しい色が映えるので存在感がありますよ。ちなみに、パロットクリソベリルは通称名(コマーシャルネーム)で、鑑別書では「パロット」という表記は載りませんのでご注意くださいね。
パロットクリソベリルをジュエリーにするなら
小さくても存在感があるためピアスやイヤリング、ネックレスなどお顔周りにつけると人の目を引きつけます。。特徴的な色なので自分の肌と宝石が浮いてしまうと感じたらお洋服の上から身につけるのもありです。
まとめ
- 「クリソベリル」は黄~緑の色相、輝きが強い宝石で透明度も高い
- 「クリソベリルキャッツアイ」は猫の目のような一筋の光のラインが浮かび上がる
- 「アレキサンドライト」は変色効果を持ち、日光や蛍光灯の下では緑~青緑、白熱灯の下では赤~紫に変わる
- 「パロットクリソベリル」はビビッドなライムグリーン、「パロット」は通称名であり鑑別書には表記されない
クリソベリルはあまり知られていませんが、クリソベリルキャッツアイ、アレキサンドライトなど有名で人気のある宝石と同じなのですよ。その多様な色相と独特の特性から、非常に魅力的な宝石です。また、強度も高いためジュエリーとして身につけやすく、普段使いにもぴったりなのですよ。クリソベリルの魅力を宝石店やオンラインショップで感じてみてくださいね。
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