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世界で三大貴石の価格高騰!カラーストーンが注目されるワケ

2024.06.26 2024.07.02

世界で三大貴石の価格高騰!カラーストーンが注目されるワケ

円相場が大きく変動している昨今、輸入される宝石の価格も全体的に高くなっているのを感じます。ただ、宝石の価格が上がっているのは円安が理由だけではありません。世界的に見てもルビー、サファイア、エメラルドの価格が高騰し、入手が非常に難しくなってきています。

 

そんな中、これらの代替品となるカラーストーンに注目が集まっています。今回は価格が高騰する宝石と、それに伴って注目される宝石、そして新しい価値観についてご紹介します。

 

高騰するルビー・サファイア・エメラルド

近年、最高品質の宝石の入手がますます困難になっており、その結果、ルビー、サファイア、エメラルドの価格が急騰しています。これは単純な需要の高まりだけでなく、採掘・加工コストの上昇や世界情勢による供給量の変化も関係していると考えられます。

 

アメリカ宝石取引の業界団体「AGTA」のCEOジョン・W・フォード・シニア氏は、ジェムフェアのオープニングセッションで「高級宝石の価格上昇は驚くべきもので、とどまるところを知らない。これまでに見たこともないような取引価格になっているところもある」と述べました。

 

サファイア

高騰するサファイア

三大貴石の中で特に価格上昇が顕著なのがサファイアです。私自身10年近く宝石業界にいますが、サファイアの価格高騰に関しては年々強く感じてきました。ウィリアム王子とキャサリン妃の婚約指輪にブルーサファイアが使われたことが話題になってから日本でもさらに人気が高まったように感じますが、それ以降も人気が衰えることはありませんでした。

 

特に品質の良いロイヤルブルーサファイアの需要が高く、毎年のように価格が上がっていったのを覚えています。スリランカの鉱山主が言うには、現地でも需要過多でブルーサファイアの価格が高くなりすぎて手に入らないのだそうです。

 

ルビー・エメラルド

高騰するルビー・エメラルド

ルビーについては、最高級のルビーが産出されると名高いビルマ産の供給が限りなく少なくなっているようです。美しいモザンビーク産が出回ってからは、以前より高品質なルビーを見かけることが多くなりましたが、ビルマ産は昔から人気が高く需要過多だったこともあり現在も非常に高額になっています。

 

他の二つほど顕著ではありませんが、サファイア・ルビーと並んで三大貴石の一つであるエメラルドも値上がりしています。

ルビー・サファイア・エメラルドに変わる注目の宝石

ルビーと同系色の宝石

ルビー、サファイア、エメラルドの価格上昇により、代替品として他の宝石が注目されています。その中でも特に注目されているのがスピネルです。レッドスピネル、ブルースピネルはそれぞれルビーとサファイアにとてもよく似ていることから需要が急増しているようです。

 

ルビーと同系色のロードライトガーネットやルベライト(レッドトルマリン)は比較的お手頃価格で手に入りやすいことから、今後ますます人気が出てくると予想されます。

 

スピネルはルビーやサファイアに似た色だけでなく、ホットピンクのような鮮やかなピンクの需要が高まっています。これは消費者がスピネルそのものの魅力に気づき始めたからにほかなりません。

 

関連記事:ジェダイスピネルとは?特徴と産地、アジア圏で流行の理由を考察
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カラーバリエーションが多彩なジルコンとトルマリン

また、赤・青・緑の3色以外のカラーにも関心が集まっています。例えば、スカイブルーやイエロー・ブラウンなど様々なカラーと強い輝きが楽しめるジルコンや、カラーバリエーションが多彩なトルマリンは選択肢が多いことで人気が集まっています。

 

ジルコン・トルマリン・スピネルは原色系のものだけでなく柔らかなニュアンスカラーもあり、いろんなカラーの中から好きなものを選べる楽しさがあります。産地、カラー、品質の基準がある程度決まっているルビー・サファイア・エメラルドとは違った選び方ですね。

 

高品質で大きなサイズのルビー・サファイア・エメラルドは揺るぎない価値が魅力ではありますが、それとは別に宝石の自然の美しさに価値を見出す人も増えているようです。

 

関連記事:ダイヤモンドに負けない輝き!最古の宝石ジルコンの特性と宝石としての魅力

インクルージョンも色ムラも個性として楽しむ

インクルージョンも色ムラも個性として楽しむ

個性豊かなジュエリーを生み出すデザイナーの中には完璧な宝石よりも、その個性が光る宝石を好んで選ぶことも多くなっていると聞きます。

 

宝石の中に入っているインクルージョンや色むらなどは、品質という観点からは避けられがちですが、デザイナーは自然な宝石の個性をジュエリーに活かすことで唯一無二のデザインを生み出しています。

 

個人ブランドを立ち上げている日本のデザイナーでも宝石の個性を活かすデザインをしている人が多くいます。聞くところによると、宝石一つ一つの個性を活かすため大量生産は出来ないそうですが、だからこそ大手とは違うジュエリーの魅力を発信できると話していました。小さな店舗や個人事業だからこそ出来るスタイルですね。

 

カラーストーンは一つ一つに個性があり、ジュエリーの大量生産には向きません。だからこそ、スモールビジネスでその魅力をはっきするのかもしれません。

 

関連記事:シルキーサファイアとは?人気の理由を徹底解説
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まとめ

  • 世界的にサファイア、ルビー、エメラルドの価格が急騰している
  • 三大貴石の中で最も価格上昇が顕著なのはサファイア
  • ルビー・サファイア・エメラルドによく似たカラーの宝石の需要が急増している
  • カラーバリエーションが豊富なジルコン・トルマリン・スピネルは選択肢の多さから人気
  • インクルージョンや色むらも個性としてその魅力を発揮している

年々高まる需要により、ルビー・サファイア・エメラルドは価格高騰が続いています。それにより比較的安価な類似石や、多彩なカラーをもつカラーストーンや個性をもつ宝石も人気が出てきています。

 

今までは高品質で価値の高い王道の宝石ばかりに注目が集まっていましたが、カラーストーンの本来の魅力である多様性が認められてきたと言えるのではないでしょうか。

 

 

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