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ダイヤモンドの蛍光性とは?紫外線で光る理由と評価方法を解説

2021.11.17 2023.08.07

ダイヤモンドの蛍光性とは?紫外線で光る理由と評価方法を解説

永遠の愛を語る上で欠かせないダイヤモンド。最近婚約指輪、結婚指輪に紫外線下で蛍光性を見せるダイヤモンドを敢えて選ぶカップルが増えているそうです。

 

宝石には蛍光性があるものも多く、例に漏れずダイヤモンドも蛍光性が確認される宝石として知られています。4Cばかりに気を取られがちですが、今回は改めてダイヤモンドの蛍光性をピックアップ。

 

果たしてどんな光の輝きを見せ、評価にどう影響を与えるのでしょうか?今回は知っておきたい蛍光、燐光(りんこう)の違いから、ダイヤモンドが特殊な光源下で光輝く原理を解説しながら、その魅力を説明していきたいと思います。

ルミネッセンスとは?蛍光と燐光の違いを理解しよう

ルミネッセンス

ここではまず、なぜダイヤモンドがUV(※1)下で輝きを見せるのかを知る前に、ダイヤモンド、宝石鑑別で大切になるルミネッセンスを解説していきたいと思います。

(※1)紫外線のことでUltravioletの略。

 

ルミネッセンスとは?

ルミネッセンスという言葉をご存知でしょうか?ルミネッセンスはいわゆる発光現象のことを指し、原子、分子や電子などが外部からのエネルギーを吸収する際に、その一部または全部がエネルギー差として光を放出する現象のことです。

 

刺激源としては電子線、紫外線、放射線、X線や熱、摩擦、化学変化など様々で、それぞれ異なる種類のルミネッセンスに分類されます。

 

例えば海ホタルの蛍光は生物ルミネッセンス、LEDはエレクトロルミネッセンス、そして宝石鑑定の際に重要になるのがフォトルミネッセンスと呼ばれるもので、これには蛍光と燐光が含まれます。

 

蛍光と燐光(りんこう)の違いについて

宝石には蛍光性または燐光性を示すものがあります。まず蛍光の原理をザックリと話すと、宝石を構成する原子の回りにある電子が、紫外線などに当たることで本来あるべき軌道から電子が飛び出し、励起(れいき)と呼ばれる高エネルギーの状態になります。

 

励起状態ではエネルギーのバランスが悪くなるため、基底(きてい)状態と呼ばれる元の安定した状態に戻ろうとします。そのバランスの良い状態に戻る際に放出するエネルギーが、今回お話ししている蛍光として目に映るわけです。

 

この蛍光性に関しては持続性がなく直ぐに消滅しますが、一方で発光が持続性を持つものは燐光と呼んでいます。

  • 蛍光性:発光の持続性がなく直ぐに消滅するもの
  • 燐 光:発光が持続性を持つもの

なぜ燐光が蛍光に比べて一定時間発光するのか、それは、励起された状態から基底状態に戻る際に、「三重項励起状態」という段階を踏むため、安定した状態に戻るまでにある程度の時間がかかるからです。ゆっくりと時間をかけて安定状態に戻るため、発光の時間が長くなるというわけですね。

 

三重項目励起状態についてですが、通常の蛍光の場合は電子内のスピンが逆の方向を示しながら基底状態に戻りますが、燐光の場合は三重項励起状態に陥ると、電子のスピンの方向が変わってしまうため、安定した状態に戻るのに時間がかかります。

蛍光性を示すダイヤモンドの条件と種類

蛍光性を示すダイヤモンドの条件と種類

ここではダイヤモンドが光るその原因や蛍光の強さを決める条件を解説していきます。

 

ダイヤモンドが蛍光を示す場合

まず前提として多くのダイヤモンドがUVライト下で蛍光性を示します。ダイヤモンドの蛍光性はまず以下の3要素によって決まります。

ダイヤモンドの蛍光性を決める3要素

 

  • 放射線の種類
  • ダイヤモンドのタイプ
  • 温度

上記を押さえてダイヤモンドの蛍光性の有無を分類すると、窒素が多く含まれるタイプ1aの中で特にケープダイヤモンドと呼ばれる黄色みが強い石は青、リラ色の蛍光を示します。また同じ1aであっても暗褐色、薄い褐色を呈する石の場合は黄色~緑色の蛍光が出ます。

 

なお純度の高いタイプ2a、ホウ素が含有するタイプ2bに関しては基本的に蛍光は示しません。ただしタイプ2bに限りUV長波で蛍光を示さないものの、UV短波では赤または青の継続的な燐光が見られるものがあります。

 

基本的に蛍光はUV短波も長波に関しても類似色の蛍光を示しますが、UV長波の方が強い蛍光が出ることも覚えておいてください。

 

ダイヤモンドの蛍光性の強さについて

ダイヤモンドの蛍光は必ずしも石全体に見られる訳ではなく、中にはスポット状に蛍光を見せるものも少なくありません。またその蛍光の強さに関しては、以下の項目で決定されます。

蛍光の強さを決める4要素

 

  • 内部欠陥の存在
  • 窒素の含有と量
  • 結晶構造中における窒素の配置
  • まだ判明していないファクターX

ダイヤモンドの蛍光性の強弱、またはその色合いに関しては賛否両論ですが、消費者の中には蛍光性の強みと色合いが、逆に琴線に触れるという観点で蛍光ダイヤモンドを好んで選ぶ方もいます。

 

しかしながらダイヤモンドの蛍光性に関しては、4C同様にその評価に影響を及ぼすこともあることは忘れてなりません。

 

蛍光はどう評価されているのか?その基準は?

蛍光はどう評価されているのか

まずダイヤモンドの評価は皆さんご存知の通りカラー、カラット、クラリティー、カットの4Cで評価されますが、蛍光性はあくまで補足的な鑑定項目として評価されています。

 

蛍光性の強さはVery strong 、 Strong、 Medium、 Faint 、 None 、この5段階で評価。また色のトーンについては、Blue 、 Green、 Yellow 、 Orange、 Pink など多用な色合いが確認されます。

 

通常これらの蛍光性の強さと色合いを合わせて鑑定書には記載されますが、蛍光性の強さがMedium以上の場合のみ、鑑定書に色調が記載されています。

 

ダイヤモンドの蛍光性のメリット・デメリット

ダイヤモンドの蛍光性が与えるメリット、デメリットについて解説します。

 

ダイヤモンドの蛍光性のメリット

①天然か合成かを判別する際の指標になる

全ての天然ダイヤモンドが蛍光性を有する訳ではありませんが、基本的に合成ダイヤモンドはUV長波では反応がなく、短波に反応する性質があるので、天然か合成かを判別する際の指標になります。

 

関連記事:合成ダイヤモンドとは?その特徴にマーケティング、販売倫理までを検証

 

②黄色味を帯びた石でも無色に見える

全てのダイヤモンドの約30%が蛍光性を示すと言われており、その中の約9割がタイプ1aの青色蛍光を呈します。そして中~強度の青色蛍光が見られる場合は、若干石のカラーが黄色みを帯びていたとしても、青色蛍光によってイエローが相殺されるため、無色に見える場合があります。

 

③希少性

青以外の蛍光性に関しては、その絶対数が少ないため、希少性という観念で評価することもできますが、その色合いや強度の評価は個々人の判断に委ねられます。

 

ダイヤモンドの蛍光性のデメリット

①蛍光性によって価値が下がる場合がある

Medium、Strong、very Strong評価の蛍光性がある場合は、同ランクの蛍光性なしのダイヤモンドと比べて価値が下がります。ただし蛍光性の評価は全世界共通ではなく、その土地、文化的な背景などで許容度は異なるため、一概に「蛍光性が強い=品質が劣る」とは言えないのが現状です。

 

②透明度に影響を及ぼす

Very Strong Blueの蛍光を持つダイヤモンドで、クラリティーがD~Fの場合、表面がオイリーと呼ばれる、白く濁ったような外観を呈することもあり、この場合は透明度に影響を及ぼすことあるので注意が必要です。

まとめ

ダイヤモンドの蛍光性に関する特徴

ダイヤモンドの蛍光性に関する特徴をまとめると、

  • ダイヤモンドには蛍光性を持つ石がある
  • 蛍光とは電子が励起状態から基底状態に戻る際のエネルギーである
  • ダイヤモンドのタイプによって蛍光の色は異なる
  • 鑑定書には蛍光の強さと色合いを合わせて記載
  • 青色蛍光の場合、石の黄色みを打ち消すが、強い青色の場合はクラリティーに影響する

ダイヤモンドの蛍光性は個人の価値観に依存する部分が大きく、蛍光性があるからといって必ずしも価値が下がるわけではありません。

 

今回はダイヤモンドが持つ興味深い蛍光性をお話ししてきましたが、この蛍光パターンを知ることはダイヤモンドのタイプから、大まかな産地の特徴を把握することにも繋がるのでぜひ覚えておくといいでしょう。

 

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