世界三大貴石(プレシャスストーン)に数えられるルビー(Ruby)は、その深紅の色合いにより真夏日が始まる7月にピッタリの誕生石です。実は、宝石の中で最高硬度を持つダイヤモンドの次に硬く、価値のある宝石だということをご存知でしたか?
さらに、ルビーは同じ三大貴石のサファイアと兄弟のような存在です。今回は、意外と知らない7月の誕生石、ルビーについてご紹介します。
ルビーってどんな宝石?
唐紅(からくれない)、緋色(ひいろ)などルビーの色を表す言葉はたくさんありますが、そのどれもがルビーの美しさを表現するには物足りない感じがしますね。さすが世界三大貴石、一言では片付けられない魅力があります。
冒頭でルビーの高度について触れましたが、厳密に言えば「コランダム(硬玉)」と呼ばれる鉱石のことです。
コランダムは不純物の違いで色が変わり、クロム(銀白色の金属)が1%混合すると深い赤色のルビーになります。一方で、鉄とチタンが混合することで青色の光を放つようになり、これをサファイアと呼びます。
そうです。意外なことにルビーとサファイアは同じ鉱石をベースにしており、混合物の違いによって全く別の宝石に変身していたのです。
関連記事:ルビーとピンクサファイアの違いは?鑑別ラインと両者の特徴の相違
ルビーの石言葉
ルビーの石言葉はその色にふさわしく、「情熱」「勝利」「生命力」などがあります。確かにルビーは単なる赤色というよりは、内から沸き起こる情熱のように深い赤に染まっており、見るものを魅了します。
古来から宝石には不思議なパワーが宿るとして、身につけたり粉末状に砕いて薬として引用していた歴史もあります。中でもルビーは強いパワーがある宝石として伝えられており、様々な文献に登場しているのです。
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色々な文献に登場するルビーの言い伝え
旧約聖書に登場するルビーは、虐げられていたユダヤ人を連れてエジプトを脱出する「出エジプト記」にて、祭司のために織られる胸当てに付ける12個の宝石のうち、一番最初に名を連ねています。ちなみに出エジプト記は紀元前13世紀の話だとされています。
同じく旧約聖書の「ヨブ記」では、大地を支える天使の足場にルビーの岩盤があると記されています。
ルビーの原産地として知られるミャンマー(旧ビルマ)では、身につけると不死身の力を得る宝石として、古代の戦士が持つ装飾品として知られています。
このように、ルビーは様々な文献に登場する歴史ある宝石なのです。
ルビーは体の右側に身につける宝石!?
ルビーを強力なパワーストーンとして身に着ける人々は、必ずと言って良いほど体の右側に身につけるようにしています。中世ヨーロッパの肖像画でルビーを身につけているものは、大半が体の右側です。
これは体の右側は「積極性」を、体の左側は「芸術性」を表すと考えられているため、体の右側にルビーを身につけることでその情熱的なパワーを身に宿すことができると信じられてきたからです。
ちなみに、ジュエリーというのは「体のどこに身につけるか?」によって意味合いが変わることが少なくありません。
結婚40周年のルビー婚式
結婚25周年の節目を銀婚式、50周年を金婚式と呼ぶのはご存知でしょう。では、結婚40周年を「ルビー婚式」と呼ぶことをご存知でしたか?実は、結婚の節目によって宝石の名が当てられているものがいくつかあります。
―結婚の節目ごとの宝石・鉱石―
11周年 | 銅鉄婚式 |
---|---|
15周年 | 水晶婚式 |
25周年 | 銀婚式 |
30周年 | 真珠婚式 |
40周年 | ルビー婚式 |
45周年 | サファイア婚式 |
50周年 | 金婚式 |
55周年 | エメラルド婚式 |
60周年 | ダイヤモンド婚式 |
40周年の「ルビー婚式」だけでなく、節目節目に合わせたジュエリーを身に着けるとより特別な記念日となりますね。
ルビーのおすすめコーディネート
美しい真紅のルビーは小さいサイズでも存在感を放ち、シンプルなコーデもぐっと華やかにしてくれます。さらにルビーは合わせる地金によって大きく印象を変えます。
ルビー×ゴールド
K18誕生石ネックレス tone | cullent(カレン)
ゴールドとルビーの組み合わせはゴージャスな印象を与え、コーディネートを明るく仕上げます。ゴールドは肌馴染みが良いので、華やかでありながら主張しすぎず合わせやすい組み合わせです。
ルビー×プラチナorホワイトゴールド
プラチナ誕生石ネックレス tone | cullent(カレン)
プラチナがルビーの赤を引き立て、コーディネート全体を上品に仕上げます。シンプルなデザインであればオフィスコーデにも合わせやすく、いつでも気軽に身に着けられるでしょう。
7月はルビーを楽しもう
- ルビーは7月の誕生石、石言葉は「情熱」「勝利」「生命力」
- ルビーはサファイアと同じコランダムで、混合する成分によって宝石名(色)が変わる
- ルビーは旧約聖書『出エジプト記』で最初に登場する宝石
- 体の右側に身に着けることで情熱的なパワーを宿すことができると信じられてきた
- 結婚40周年を「ルビー婚式」と呼ぶ
いかがでしょうか?一つ一つの宝石に色々な物語があるように、ルビーにも魅力的な物語があります。しかもそれらの多くが紀元前のものとなれば、とてもロマンティックな宝石だと感じますね。
ルビーは青い空に美しく映える宝石です。7月はぜひルビーを身に着けてみてはいかがでしょうか?
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