価格を抑えて良いものを提供できるかは宝石を販売する側の腕の見せ所です。ルースをよりお値打ちな価格で仕入れるために、海外に行く方も多いのではないでしょうか。
宝石の売買は非常にデリケートですから、ルースの扱いが少しでも雑だったりだらしがないと良い買い付けにはつながりません。ルースの取り扱い注意点をお伝えいたします。
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見られているルースの取り扱い
ルースの仕入れは非常に神経を使うもの。ディーラーはバイヤーがどんなものを好み何を仕入れるか、またその人が信頼できるかどうかを見極めていきます。
特に海外での仕入れとなるとシビアにバイヤーの所作を見ています。ルースの扱いが不慣れであれば、それだけで高品質なルースを出してもらえる機会が減り、さらに足元をみた価格を提示されるなんてこともよくあります。
皆さんもご存知の通り、世の中にはルース買い付けを装った窃盗行為も見られますから、常にディーラーはバイヤーの動きに目を光らせているのです。信頼を作り上げるためにもルースの取り扱いには常に注意が必要になります。
ルース仕入れ前の身だしなみ
なぜルースの仕入れに入る前の身だしなみが必要なのでしょうか。この身だしなみというのは服装のフォーマルさといったマナー的な意味ではなく、ルースを扱う時にいかに安全に扱える状態になっているかという身だしなみです。
ロットの中から選ぶ場合はルースも小さいものが多いので、ピンセットで摘んだ時に弾き飛ばしてしまうと非常に厄介です。最悪なのはそれがどこに飛んだかわからなくなってしまうこと。たまたま自分のカバンの中に入ってしまっては一大事、あらぬ疑いをかけられてしまうことになりかねません。
- 必要最低限の道具以外はカバンにしまう
- カバン・ペンケースなどのチャックは全て閉める
- 机にピッタリとお腹を付け、ルースが机から落ちないようにする
- 裾にルースが入り込む危険があるダブルのスーツは着ない
- 袖がダブついたものを着ない
基本はルースを扱う前にルーペ、クロス、ライトなどの必要最低限の道具以外はカバンにしまいます。カバンのチャックなども全て閉めておき、机の上を綺麗な状態にしておきます。ペンケースなども必ずチャックを閉じておきましょう。そうするだけでもルースが紛失してしまう可能性が少なくなります。
ルースを扱う時は机にピッタリとお腹を付け、ルースが机から落ちないようにしておきます。服装は裾にルースが入り込む危険があるダブルのスーツは着ない。袖がダブついたものを着ない。また基本はダボっとした服は着ないのがベストです。どれも細かくて小さなことですが、その心遣いが相手への信頼に繋がります。
ルーペワークのポイント
- ルーペは効き目に合わせて持ち、ピンセットは逆の手で扱う
- 両目を開いた状態で片目は閉じない
- 両肘を机に乗せて固定する
- ルーペは顔にピッタリと固定する
- ピントは宝石を動かして調整する
皆様はルーペはどちらの手で持っているでしょうか。通常、利き目が右であればルーペを右手で、ピンセットは左手で扱います。
中には右目が利き目でも、利き手の右手でピンセットを扱い、左手でルーペを持つ方もいらっしゃいます。これは実は正しくない持ち方になります。左手のルーペを右利きの目に当てますから、ピントが合わせにくくなるんです。
また、ルースを見る際は両目を開いた状態で片目は閉じないようにしましょう。片目を閉じると手元の宝石を紛失しやすくなるだけでなく、片目に負荷がかかり長時間作業した際にインクルージョンや細かい点を見落としやすくなります。1つ2つの仕入れではなんともありませんが、多くの宝石を仕入れる場合を想定して慣れておくといいでしょう。
ルーペとピンセットを使ってルースを見る場合は両肘を机に乗せて固定しましょう。そうすることで手元がブレず、ルースの状態が見やすくなりますよ。ルーペは顔にピッタリと固定し、ピントの調節は宝石を動かして行うようにしましょう。
元鑑別機関館長が言うには、このルーペワークだけでその人が宝石を見慣れているかどうかすぐにわかるそうです。慣れるまでは難しかと思いますが、ルーペワークもしっかりと見られるポイントになりますので練習しておいて損はありません。
仕入れ先が喜ぶルースの取り扱いとは
宝石をいかに大切に扱うかはディーラーの信頼を得る一番重要なポイントと言えるかもしれません。見た宝石は必ず綺麗に拭いてからケースに戻し、さらにケースの指紋も拭き取りましょう。取引が終わった後、ディーラーがルースを拭かなくてもいいような状態にしておくのです。それに指紋だらけのままルースを返すのは不躾ですよね。
多くの方が「いやいや、自分は大切に扱っている」と思っていらっしゃるでしょうし、実際そうだと思います。ですが普段から何百のルースやジュエリーを扱い、非常に高額な宝石を持ち運ぶのが当たり前になっていると、どうしても宝石に対する扱いがおざなりになりがちです。
宝石を愛するディーラーであればあるほど、そういったところに敏感です。特に鉱山を持っているようなオーナーはどんな小さな宝石でも大切に扱います。なぜならその宝石は自分の従業員が汗水を垂らし命懸けで採掘したものだからです。ルースが出来上がるまでの過程を知っているからこそ、バイヤーの人柄やプロとしての技量を見てどのルースを見せるかを決めます。
ディーラーは自分の物のように大切にそして敬意を払ってルースを扱う人に良い宝石を見せてくれるんですね。
結びに
仕入れの際のルースの取り扱い注意点についてお伝えしましましたがいかがでしたでしょうか。皆様ご存知の通り、良い仕入れには信頼関係が必要不可欠です。
海外ではルースをどのように扱うかでその人の仕入れの技量を測ります。中にはあえて注文と違う宝石を見せて、相手がそれに気付くかというような試し行為をする人もいます。ですが「この人は良いバイヤーだ」と思ってもらえれば他の人には見せない特別なルースを見せてくれることもあります。
信頼される所作を身につけることで、実りのある仕入れにつながるのではないでしょうか。
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