新規会員登録

鮮やかなブルーに酔いしれるターコイズ(トルコ石)とは

2023.05.31 2024.04.26

鮮やかなブルーに酔いしれるターコイズ(トルコ石)とは

地中海の海のような色が魅力のターコイズ。12月の誕生石としても愛されていますね。その歴史は古く、紀元前5000年には人が扱っていたそうですよ。シルバージュエリーにも多く使用されており、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。今回はターコイズについてご紹介いたします。

 

ターコイズの魅力

ターコイズは硬度が低いため加工がしやすく、彫刻やカメオなどの材料になることもあります。ドーム型にカットするカボションカットが一般的ですが、ビーズやカメオも多く、オリジナリティあふれるジュエリーもたくさん見かけます。

 

多くの方が勘違いされているのですが、ターコイズ(トルコ石)はトルコでは産出されません。これはターコイズがトルコを経由してヨーロッパに伝えられたためで、フランス人が「トルコの石」と呼ぶようになったからだそうです。主な産地はイラン、中国、アメリカ、メキシコ、チリ、アフリカ、オーストラリアなどです。

 

ターコイズのカラー

ロビンエッグブルー(コマドリの卵色)

ターコイズの魅力といえば、その美しいターコイズブルーでしょう。この色は鉄と銅が生み出していて、その量によってスカイブルーから緑色までの色合いを生み出します。淡いブルーはロビンエッグブルー(コマドリの卵色)と呼ばれ、自然光にかざすとより美しさが際立ちます。

 

ターコイズ特有の模様について


ターコイズ シルバーリング SV925 レディース SPACE LAB | (jwell)公式通販サイト

ターコイズには蜘蛛の巣状の模様が入っているものがあり、メイトリックスと呼ばれています。成長過程の環境によって生まれるもので千差万別な模様を生み出します。独特の風合いは好みが別れるかもしれませんが、ターコイズが人工ではなく自然の中で作り上げられてきた宝石だということがよくわかる魅力的な印だといえます。

 

ブルー一色のターコイズはインパクトのある美しさを堪能することができ、メイトリックスが入ったものは鉱物の神秘を楽しむことができます。

ターコイズの評価ポイント

価値のあるターコイズとはどんなものなのでしょうか。ターコイズの宝石としての価値は、色相(カラー)、模様のデザイン性、どの鉱山で採掘されたか、人工処理の有無などさまざまな要素により決まります。ここではターコイズの評価基準について解説します。

 

色相(カラー)


ターコイズ スタッドピアス | 18金 – cui-cui[キュイキュイ]

色はスカイブルーで、グリーン味を帯びていないものが良いとされています。一般的なカラーストーンは濃い色が良いとされる傾向がありますが、ターコイズの場合はロビンエッグブルーの濃すぎず薄すぎないスカイブルーが最も良い色と言われています。

 

模様(メイトリックス)


ターコイズ ピアス K14ゴールドフィルド UZUOU | (jwell)公式通販サイト

メイトリックスがバランスよく入っているものと入っていないものでは同じ評価となりますので、自分の好みで選ぶと良いでしょう。蜘蛛の巣状に見えるスパイダーウェブ、細かなスパイダーウェブが入ったランダーブルーと呼ばれる模様は人気が高く価値が上がります。

 

産地

ターコイズの産地

ターコイズは広範囲で産出しますが、世界最高品質かつ、古くから知られているのがイラン(昔のペルシャ)産です。イランのニシャプール地区で産出するターコイズは、バナジウムや鉄がほぼ含まれないロビンエッグブルーの最高品質で、耐久性があり変色に強く、「ペルシャン」と呼ばれてきました。

 

そして、マトリックス模様の無いターコイズで高品質とされているのがアメリカのアリゾナ州「スリーピングビューティー鉱山」から産出したものです。スリーピングビューティー鉱山はその名の通り寝そべった女性の形に見えることから名づけられました。美しい空色と均一なブルーから最高級と称されますが、採掘量減少のため2012年に閉山しており、より価格が高騰しています。

 

ただし、ターコイズは鑑別機関で産地証明を出すことはできません。ですので産地にこだわりたい方は、鉱山が特定できる状態で販売している小売店舗や、鉱山から直接買付しているルース販売業者から購入してジュエリーに仕立てると良いでしょう。

 

処理

ターコイズは耐久性が低いため、なんらかの処理がおこなわれている可能性が高いことに気をつけなければなりません。一般的な処理だけでなく着色など品質に関わるものもあるので購入の際は注意したいですね。処理については次の章で詳しく解説していきます。

ターコイズの処理

ターコイズの処理

ターコイズは処理されるのが一般的で、特に含侵処理は品質の劣化を防ぐためにほとんどのものにおこなわれています。無処理のターコイズは繊細でお手入れが必要になります。それでも変色などの劣化が起こる場合がありますが、愛好家の方は無処理を選ばれる方もいらっしゃいます。どこまで許容範囲かどうか、納得して選びたいですね。

 

ここではターコイズにおこなわれる処理の中から代表的なものをご紹介します。

 

含侵処理

経年劣化を防ぐためおこなわれる処理として最もポピュラーなのは、無色のオイルやワックスをターコイズに含浸させる方法です。トルコ石には目に見えない小さな穴があり、そこに汚れなどが入らないよう保護する目的で行われています。

 

最近では、エポキシ樹脂やアクリルプラスチックにトルコ石を入れて石の深部まで浸透(含侵)させる「スタビライズ法」が用いられています。この処理はオイルやワックスより品質がはるかに安定するため、現在流通しているターコイズのほとんどにおこなわれています。

 

化学処理法(ザッカリ処理)

1980年にジェームズ・ザッカリというトルコ石商人があみだした方法です。ターコイズを3週間〜6週間ほど、カリウムを含んだケイ酸ソーダの水溶液に浸透させ処理を行います。元の色よりも彩度が上がり、硬度も高くなると言われています。

 

染色処理

ターコイズの染色処理

ターコイズの色をよく見せるための方法で、色のついた透明材を含侵させて地色を鮮やかにします。人工的な着色はターコイズを見慣れている人には不自然に感じるかもしれません。また、メイトリックスを鮮明にするため、黒色インクを塗ってバフで仕上げるという染色処理もあります。

 

再生処理法

ターコイズの粉末や小さく砕けたものを樹脂で固めて一つのターコイズを作り出す方法です。再生トルコ石という名前で知られています。安価で販売されることが多いようです。

ターコイズの性質と注意点

ターコイズの性質と注意点

前述した通りターコイズは多孔質(たこうしつ)と呼ばれる宝石です。多孔質の「孔」とは穴のことで、ターコイズを拡大すると目に見えない小さな穴がたくさん開いています。その穴に水や油などの汚れが入ってしまうと、吸収して黒ずんだり、変色または退色することがあります。

 

さらに、この穴には通常水分が入っているため熱や乾燥によるひび割れにも注意する必要があります。ターコイズのジュエリーを身に着ける場合は、家事やシャワーの際には必ず取り外すようにしましょう。

まとめ

  • 濃すぎない美しいスカイブルーは「ロビンエッグブルー」と呼ばれる
  • ブルー一色のものと、メイトリックスと呼ばれる蜘蛛の巣状の模様が入っているものがある
  • 世界最高品質かつ有名なのはイラン産で「ペルシャン」と呼ばれる
  • アメリカのアリゾナ州「スリーピングビューティー鉱山」から産出したものは高品質
  • ターコイズは鑑別機関で産地証明を出すことはできない
  • 品質の劣化を防ぐためにほとんどのターコイズに含侵処理が施される
  • 彩度と硬度を上げるザッカリ処理、染色処理、ターコイズの粉末や砕けたものを固めた再生処理法などがある
  • ターコイズには目に見えない穴が開いており汚れたり退色しやすい、また水回りはNG

ターコイズはその魅力的な色と模様で世界中の人を虜にしてきました。耐久性が低いという欠点はありますが加工がしやすい分、古くから装身具として愛されてきたのでしょう。

 

最近では前述のスタビライズ法を含め様々な処理が生まれ、より安心して使えるようになってきました。あなたならどんなターコイズを選ぶでしょうか。

 

 

関連記事

 


未来宝飾MARKETのご案内
資料請求・お問合せ
PAGE TOP