
ジュエリーを目にするとき、多くの方の視線はまず、美しいメインストーンに釘付けになるでしょう。そして次にジュエリーが放つ「全体の印象」を愛でるのではないでしょうか。その「全体の印象」を決定づけているのは、メインストーンに寄り添うように配置されたサイドストーンや、きらめきを添えるメレダイヤなど、“脇石(わきいし)”の存在があるからこそです。
本記事では、主役の輝きを陰で支える脇石たちの秘められた魅力と、ジュエリーデザインにもたらす奥深い影響についてご紹介します。
脇石(わきいし)の役目とは?

“脇石”には、小さなダイヤモンドであるメレダイヤや、メインストーンの両脇に配されるサイドストーンがあります。脇石が担う役割は多岐にわたりますが、主な役目としては以下が挙げられます。
輝きを引き立てる
メインストーンの輝きや透明感を際立たせる役割をします。主役の周りをメレダイヤで囲むことで、メインストーンがより大きく明るく見える効果があります。
彩りを添える
メインストーンとは異なる色の宝石を配置することで、デザインに深みやコントラスト、調和をもたらします。例えば、メインのダイヤモンドの隣にサファイアやルビーなどの色石を配することで、華やかさが増します。
フォルムを完成させる
ジュエリー全体の形をつくったり、ラインを美しく見せるために脇石を配置します。流れるようなデザインや曲線的なフォルムなど、ジュエリーデザイナーの意図する形を具現化するのに不可欠です。
脇石の種類とそれぞれの役割
ここからは、実際にジュエリーの中で輝きを放つ脇石たちの具体的な役割を見ていきましょう。
メレダイヤ

メレダイヤのサイズは一般的に直径1〜3mmです。その小ささにもかかわらず、一粒一粒がブリリアントカット(58面体にカットされた、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すカット)で研磨されているため、強い輝きを放ちます。メレダイヤには次のような役割があります。
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センターストーンの存在感を倍増させる
メレダイヤの象徴的な役割は、センターストーンの存在感を高めることです。例えば、婚約指輪などで見られるソリティア(一粒石)デザインの周囲にメレダイヤがセッティングされると、中央のダイヤモンドがより大きく圧倒的な輝きを放っているように見えます。これは、メレダイヤの光がセンターストーンの輝きと共鳴し、相乗効果を生み出すためです。
デザインに繊細なきらめきと高級感を加える
小さなメレダイヤが散りばめられることで、ジュエリー全体に繊細なきらめきが加わり高級感を与えます。石畳のようにメレダイヤを敷き詰めるパヴェセッティングは特に、まばゆい光の帯を作り出します。
カラーダイヤをメレとして活用
無色透明のメレダイヤが一般的ですが、ピンクダイヤモンドやイエローダイヤモンドなどのカラーダイヤも活用されています。これらをアクセントとして配置することでデザインに遊び心や個性が加わり、唯一無二のジュエリーが生まれます。
カラーストーンの脇石

ピンクサファイアやペリドット、ルビー、エメラルド、サファイアといった彩り豊かなカラーストーンも、メインストーンを引き立てる重要な脇役となります。カラーストーンの脇石は単に色を添えるだけでなく、デザインに深みと表情を与えます。
色味のアクセントを添える
無色透明のダイヤモンドや、真珠などのメインストーンの脇にカラーストーンを配置することで、ジュエリー全体に色味のアクセントが生まれます。例えば、プラチナのリングにセットされたダイヤモンドの両脇にカラーストーンが添えられると、デザインに華やかさが増します。
色を繋ぎ全体の調和を生み出す
複数の種類の宝石を組み合わせたマルチストーンジュエリーでは、脇役のカラーストーンがそれぞれの石の色や輝きを繋ぎ合わせ、全体の調和を生み出す役割を担います。異なる色合いの宝石たちが隣り合うことで生まれるコントラストやグラデーションは、ジュエリーに豊かな表情を与え、見る人を惹きつけます。
脇石の配置で変わる印象
脇石はその配置の仕方によってジュエリーが放つ印象を変える力を持っています。主役の宝石に表情を与え、ジュエリー全体の個性を際立たせます。配置の仕方の違いとその効果について解説します。
囲む

メインの宝石をぐるりと取り囲むようにメレダイヤなどを配置すると、ジュエリー全体に圧倒的な華やかさをもたらします。これによりジュエリーの“顔”とも言えるトップ部分が視覚的に大きくなり、メインストーンが実際のカラット数よりも大きく輝いて見える視覚効果を生み出すのです。特にエンゲージリングなどで選ばれることが多く、まばゆい輝きで手元を彩ります。
直線で並べる

メインストーンの上下に配したり、リングのアーム部分に一列に連ねて配置することで、洗練された華やかさを演出します。直線的な配置は、ジュエリーにすっきりとしたモダンな美しさを与え、スタイリッシュな印象を高めます。
流線形に並べる

ウェーブ状や緩やかな曲線を描くように配置するとジュエリーに優雅で柔らかな印象が生まれます。特にリングの場合、流れるようなデザインは指をより細く長く見せる視覚効果があり、自然で有機的な美しさを好む方に人気です。
横や上下に添える

メインの宝石の両脇や上下に1〜3個ほどの石を添える配置は、控えめながらも上品な華やかさを演出します。「囲む」や「直線で並べる」といった配置と比較すると主張は控えめですが、可憐で繊細な印象を与えます。主役の美しさをそっと引き立てる奥ゆかしい魅力があります。
非対称に配置する

宝石をあえて均一に並べず、デザイン的に配置する「非対称(アシンメトリー)デザイン」は、ジュエリーに遊び心とユニークなリズムをもたらします。自由な雰囲気を演出し、華やかさの中にさりげないカジュアルさや個性を加えることができます。着ける人のセンスが光る、上級者向けのスタイルと言えるでしょう。
敷き詰める

小さなメレダイヤを石畳のように隙間なく敷き詰める「パヴェセッティング」は、この上なくゴージャスで存在感のある輝きを生み出します。地金が見えないほどに密にセッティングされた宝石はまるで光の塊のよう。パーティーシーンなどでひときわ目を引く、圧倒的な存在感を放ちます。
ジュエリーの質を決める“脇石の条件”

ここまで見てきたように、脇石たちは単なる添え物ではありません。脇石の丁寧な仕上げこそがジュエリー全体の高級感と唯一無二の魅力を生み出す鍵となるのです。脇石が備えるべき条件は主に以下の3点です。
素材の品質
メインストーンだけでなく脇石の品質も大切です。例えばメレダイヤであれば、クラリティやカラーのグレードが揃っていることで、全体として統一感のあるまばゆい輝きが生まれます。またカラーストーンも、色が均一でインクルージョン(内包物)が少ない高品質の石を選ぶことで、ジュエリー全体の高級感が高まります。
バランス
メインストーンとの調和が取れていること、そして全体のデザインの中で脇石が適切に配置されバランスが優れていることも重要です。主役と脇役がお互いを引き立て合う最適なバランスが求められます。これはデザイナーのセンスと職人の技術が融合して初めて実現する美しさです。
丁寧な石留め
宝石を地金に固定する「石留め」の技術は、脇石の輝きを最大限に引き出すために非常に重要です。熟練の職人による精巧な石留めは、宝石本来の美しさを引き出しジュエリーに品格を与えます。
まとめ
- 脇石の役目は輝きを引き立てる、彩りを添える、フォルムを完成させる
- メレダイヤはセンターストーンの魅力を引き立て高級感を加える
- カラーストーンの脇石は色を添える、色を繋ぎ全体の調和を生み出す
- 脇石の配置(囲む、並べる、添える、非対称)で印象が変わる
- 脇石の品質、バランス、丁寧な石留めがジュエリーの質を決める
脇石はセンターストーンの輝きを最大限に引き出し、デザインに深みと個性を与えジュエリー全体の価値を高める縁の下の力持ちです。脇石への惜しみないこだわりは、身に着ける人の個性をより一層輝かせ、長く愛され続けるジュエリーとなります。
ジュエリーを目にするときには、ぜひ「脇役の石」たちにも目を向けてみてください。きっと、これまで気づかなかった新たな魅力や、ジュエリーが持つ奥深い物語に触れることができるでしょう。
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